研究課題/領域番号 |
22300143
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
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研究分担者 |
伊藤 靖 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90324566)
石垣 宏仁 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90432301)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
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キーワード | iPS細胞 / カニクイザル / 癌 / MHC |
研究概要 |
1)癌の治療研究(特に免疫療法)ではマウスの結果がヒトに反映されることが少なく、よりヒトに近い動物モデルの確立が必要と考えられている。そこで、特定の主要組織適合抗原遺伝子複合体(MHC)ハプロタイプであるMafa-HT1をhomozygousに有するカニクイザル由来のiPS細胞を癌化させ、Mafa-HT1をheterozygousに有するサルに移植し、サルの癌モデルの作成を試みる。 サル由来iPS細胞株を血球系へ分化させる培養中に、癌遺伝子であるhTERT、KRAS導入と癌抑制遺伝子p53、pRbを抑制し、試験管内で癌化させた。この細胞株をNOGマウスに移植し、腫瘍増生を確認した。現在、その腫瘍を再度試験管内に戻し培養している。また、この細胞株の性質を解析中であるが、予想とは異なり、血球由来ではなく間葉系由来の未分化な腫瘍細胞であった。来年度は、この細胞株をMafa-HT1 heterozygousカニクイザルに移入し、サルの腫瘍デルの作成へと踏み出す予定である。 2)癌細胞株のreciepientとなるMafa-HT1 heterozygousカニクイザルを増やすために、Mafa-HT1 homozygousカニクイザルのオスとメスとの掛け合わせを行った。具体的には、Mafa-HT1 homozygousオス個体の精子とMafa-HT1 heterozygousメス個体との間で顕微授精を実施し胚移植を行った結果、2頭で妊娠を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サルiPS細胞を癌化させることはin vitroでは終わり、NOGマウスに移植した。腫瘍形成能はあるが、やや弱いことがin vivoで判明した。現在、癌としての増殖能を増強させるために追加で遺伝子導入を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように増殖能を増強した癌細胞(Mafa-HT1homozygousサルiPS細胞由来)をMafa-HT1heterozygousサルに移植する予定である。Mafa-HT1をhomozygousに有する雌サルの気道上皮を採取してin vitroで癌化させ、Mafa-HT1heterozygousサルに移植することも考える。
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