本研究ではラットES細胞と発生工学技術を駆使し、臓器欠損や免疫不全などの疾患モデルラットの作製とその利用を目指した。エレクトロポレーション法によって外来性蛍光タンパク質遺伝子を導入したES細胞からのTgラットの作出、ならびにRosa26遺伝子座の相同組換えを誘起したES細胞からのノックインラットの獲得には成功した。また、Pdx1遺伝子欠損ラットを作出することはできたが、予想した膵臓欠損という表現型を示す個体を得るには至らなかった。しかし、幹細胞補完法により膵臓欠損マウス中にラット幹細胞由来の膵臓を作製させることに成功した。
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