研究課題/領域番号 |
22300154
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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研究分担者 |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 応用光学・量子光工学 / 細胞・組織 / コラーゲン / 創傷治癒 / 非線形光学顕微鏡 |
研究概要 |
創傷治癒とは、生体に生じた損傷が修復される過程である。創傷治癒の様態は極めて多種多様であり、その生体修復機構に関して未解明な部分も少なくない。しかし、それらに共通しているのは、『コラーゲン動態(産生、高次構造、配向など)』が深く関与していることである。本研究では、『生きたありのままのコラーゲン』を可視化可能なSHG(第2高調波発生光)顕微鏡をラット創傷モデルに適用し、同一個体の創傷治癒過程を時系列で追跡し、生体修復機構を『コラーゲン動態』の観点から明らかにすることを目的とする。 今年度は、ラット熱傷モデルの治癒過程を生体コラーゲン顕微鏡で時系列モニタリングし、肥厚性瘢痕の発生メカニズムをコラーゲン動態の観点から探った。学内動物実験倫理委員会で承認を得たプロトコルに従って作成した深II度熱傷部位において、異常治癒による肥厚性瘢痕が生成された時のコラーゲン動態を時系列モニタリングした。正常治癒の場合、熱傷によって損傷したコラーゲン線維は、生体SHG光を発生しない低次構造レベルまで一度分解された後(炎症期)、新生コラーゲンの産生により肉芽組織が形成され(増殖期)、そのコラーゲン線維が太く発達しながら高次構造を再構築することにより肉芽組織が成熟していく様子が確認された(成熟期)。一方、異常治癒の場合、熱傷損傷したコラーゲン線維の分解が起こらず、熱傷直後の状態が継続した。これは、炎症期における代謝が正常に行われず、感染症等の要因により炎症期から増殖期への移行が遅延していることを示唆していると思われる。その後、新生コラーゲンは産生されたものの、太いコラーゲン線維がランダム配向で異常増殖し、最終的に受傷部位に肥厚性瘢痕が形成された。このように、生体コラーゲン顕微鏡を用いることにより、正常治癒過程と異常治癒過程におけるコラーゲン動態の違いをin vivoで可視化することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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