研究課題/領域番号 |
22300160
|
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
|
研究分担者 |
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
大越 康晴 東京電機大学, 理工学部, 助教 (10408643)
|
キーワード | 補助人工心臓 / 軸流血液ポンプ / a-C : H被膜 / 小型高機能性 / 表面処理 / CFD解析 / MOGA / 溶血低減 |
研究概要 |
平成22年度は、羽根車形状の最適化および羽根車へのa-C : Hコーティング方法の確立を行った。羽根車形状の解析には、CFDによるポンプ内流れの解析とMOGAによる最適化手法を組み合わせた自動最適化システムを用いた。MOGAの目的関数の設定としては、LVAD条件を満たすための圧揚程の最大化、低溶血性を得るための平均せん断応力の最小化の2つとした。この最適化システムにより、羽根車については、CFD解析より羽根車の全長、羽根断面、羽根枚数の順に最適化を行った。羽根枚数は揚力を得る羽根の負荷を分散させることを目的とし、CFD解析の部分を磁場解析に置き換えることで、本最適化システムは、モータの開発にも適用した。申請者らが開発した軸流血液ポンプのモータは、高耐久性、小型化、高効率化、低振動・騒音性が不十分であったが、コギングトルク、磁気飽和、損失の低減、ポンプの駆動条件に合わせたモータサイズの最適化を行った。 また、羽根車のみの特性を測定するために、ブラシレスDCモータと動圧軸受を取除き、血液流路と羽根部で構成される試験ポンプを製作した。そして、圧揚程の最大化および溶血性の最小化を実現する羽根車についてa-C : Hコーティングを施し、LVAD条件および低溶血性と合わせて効率について検討した。光造形システムにより作製した羽根車(フローストレーナ、エンクローズドインペラ、ディフユーザ)へのa-C : Hコーティングは、グロー放電を利用したプラズマCVD法により行った。その結果、a-C : H被膜により羽根車表面粗さが低減され、良好な溶血低減効果が得られた。
|