研究課題/領域番号 |
22300164
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (50283875)
|
研究分担者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
|
キーワード | タンパク質工学 / 中枢神経 / 再生医療 / 神経幹細胞 / 移植補材料 / 細胞チップ / コラーゲン / 細胞増殖因子 |
研究概要 |
生体内あるいは生体外において神経前駆細胞の高度な機能制御が可能な細胞制御因子組込型バイオマテリアルの創製を目的として研究を開始した。 まず、神経前駆細胞が様々な細胞増殖因子に対してどのように振舞うかについて調べることを目的に、細胞チップ分析法を用いたバイオアッセイを行った。5種類の細胞増殖因子(EGF、bFGF、CNTF、BDNF、IGF-1)を単独あるいは2つの組み合わせとしてディスプレイした細胞チップを作製した。これには、タンパク質工学および基材の微細加工技術を利用した。このようにして作製したチップ上でラット胎児脳由来神経幹細胞を培養した。一定期間の培養後、4種類の分化マーカー(nestin、class III B-tubulin、GFAP、RIP)を免疫染色することで細胞分化について調べ、BrdUの取り込み量から細胞増殖について調べた。これらの実験結果を用いて、クラスター分析を行った。その結果、神経幹細胞の分化・増殖に及ぼす細胞増殖因子の影響について基礎的情報を得た。とくに、複数の因子による効果について注目した。 一方、各種のタンパク質性因子をコラーゲンゲル内に固定するため、タンパク質性因子に融合するコラーゲン結合性オリゴペプチドの探索を行った。コラーゲンに結合することが知られている天然タンパク質に着目し、それらに含まれるコラーゲン結合性ナミノ酸配列を取り上げた。なかでも、デコリンに由来する11残基のアミノ酸からなるオリゴペプチド(SYIRIADTMT)をEGFのC末端に融合したキメラタンパク質は、コラーゲンとの親和性を示すと同時に、EGFの構造と機能を維持していることが、円二色性分析やラット神経幹細胞を用いたバイオアッセイによって明らかになった。
|