ポリグリセロールデンドリマー(PGD)が生理活性タンパク質の構造安定性に及ぼす影響を検討した。アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)をモデルタンパク質として熱変性におけるPGD添加効果を検討したところ、PGD存在下において熱処理後もADH活性を保持できる濃度条件が存在した。また、PGDは塩基性アミノ酸残基と相互作用し、これによって塩基性繊維芽細胞増殖因子の安定性に寄与していることが細胞培養実験から明らかになった。PGDは簡便な架橋反応にゲル状に加工可能であったことから、PGDを用いて生理活性タンパク質、特に塩基性タンパク質の構造と活性を安定化する足場材料として機能することが示された。
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