研究課題
基盤研究(B)
マイクロRNA (以下、miRNA)は、腫瘍促進あるいは抑制遺伝子に作用して、腫瘍発生や進展を制御するため、その発現プロファイルとその修飾は、癌診への応用が期待できる。さて、実際に応用するには、細胞質への移行性が重要で、本研究ではキャリアとして炭酸アパタイトナノ粒子を用いた。1) miR-29c発現は胃がんの進展に伴い低下し、その標的、Mcl-1発現は上昇した。pre-miR-29c導入でもMcl-1の発現は低下した。2)API2-MALT1陽性除菌抵抗性胃MALTリンパ腫でmiR-142とmiR-155の過剰発現がTP53INP1発現の抑制を介しMALTリンパ腫発生の一因となることが示唆された。3) miRNAプロモーターアレイを用いたChIP on chip法により、エピジェネティック修飾をもつ22のmiRNAsを同定し、この中のがん抑制miRNA、miR-9発現は胃がん部で有意に低下した。4)miR-375導入により、胃がん細胞MKN74のシスプラチン(CDDP)や5-fluorouracil(5-FU)に対する感受性が有意に増強された。CD44v9発現がん幹細胞では、miR-375を減少させることでCDDP、5-FU耐性を獲得した。5)胆汁酸は、miR-221/222の発現を上昇させ、標的であるp27Kip1を減少させ、proteasome分解系を介したCDX2分解を促進すると考えられた。Anti-miR-221/222により食道腺がん細胞株OE33で、CDX2量の上昇とともに細胞増殖が抑制された。以上のように、miRNAは、がんの進展に関与する分子機序に関連し、その制御により、腫瘍を抑制できる可能性が示唆された。
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