研究課題/領域番号 |
22300182
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
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研究分担者 |
LORETO B Feril 福岡大学, 医学部, 講師 (10435109)
遠藤 日富美 福岡大学, 医学部, 講師 (00435108)
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キーワード | 超音波 / ナノバブル / がん治療 |
研究概要 |
[研究の目的]本課題は世界に先駆け、リプル注^<TM>:プロスタグランジンE 1(PGE1)封入ナノ粒子製剤を用い、新しい超音波診断用造影剤の特性を詳しく調べ、その治療応用の可能性を早急に見いだすことである。 [研究実績]実験計画ではリプル注^<TM>の超音波診断用造影剤として音響実験・動物実験で造影効果の検証を行なう前にリプルでできたμバブルの物理的な性質を測定検討した。リプルを50%、20%、10%、5%に希釈したサンプルを高回転攪拌機し、光学顕微鏡ではバブルは確認することができなかったが、dark lightの顕微鏡観察を試みたところ、ナノサイズのバブルが観察された。また、高回転攪拌する前後で画像を解析したところ、バブルはおよそ10の6乗/ミリ(個)存在することが予想された。レーザーによる光散乱粒径測定法を用いた、バブルの直径を測定した。その結果、高回転攪拌したリプルの直径は2倍から4倍まで増加していることが示唆された。リプルと同様の性質のリポゾーム製剤(日本油脂製)を用いて、上記と同じ高回転の攪拌を使った処理方法でも、コントロール群と比較し、粒子の直径が数倍の増加が認められた。上記の実験結果から高回転攪拌されたリプルのバブルの直径は300ナノから1000ナノの間であることが推測され、今後の実験を進める上で有意義な情報が得られた。遺伝子導入実験のおけるソノポレーション法の手技的な問題点がないことが昨年度に立証されたので、今後はリピル注のさらなる細かい設定を決め、高速攪拌中の様子を詳しく観察し、最適は条件設定を行うことが必要と思われる。 また、上記と同じ細胞を使った遺伝子導入実験で有意な差が認められソノポレーション法の手技的な問題点がないことが立証された。今後はリピル注のさらなる細かい設定を決め、高速攪拌中の様子を詳しく観察し、最適は条件設定を行うことが必要と思われる。動物実験ではリプル注の毒性は認められず、細胞にも毒性がないことが確認できた。 超音波診断装置を用いてマイクロバブルをはっきり確認することはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はリプルの物理的な性質の検討に特化したことから、新知見が得られた。光散乱法を用いたことで、バブルの粒子経が予想できたことで実験の進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
細胞を使った遺伝子導入実験で有意な差が認められ、ソノポレーション法の手技的な問題点がないことが立証されている。今後はリピル注のさらなる細かい設定を決め、高速攪拌中の様子を詳しく観察し、最適は条件設定を行うことが必要と思われる。動物実験ではリプル注の毒性は認められず、細胞にも毒性がないので、今後は超音波診断装置を用いてマイクロバブルをはっきり確認する必要がある。
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