研究課題
本課題は世界に先駆け、リプル注™:プロスタグランジンE1(PGE1)封入ナノ粒子製剤を用い新しい超音波診断用造影剤の特性を詳しく調べ、その治療応用の可能性を早急に見いだすことである。実績として実験計画ではリプル注™の超音波診断用造影剤として音響実験・動物実験で造影効果の検証を行なう前にリプルでできたμバブルの物理的な性質を測定検討した。昨年に続きリプルを100%、50%、20%、10%、5%希釈したサンプルを高回転攪拌機し、dark lightの顕微鏡観察とレーザーによる光散乱粒径測定法を用いた、バブルの直径を測定した。粒子直径の分布状況を調べた所、リプルを100%濃度でナノサイズのバブルが最も認められた。リプルと同様の性質のリポゾーム製剤(日本油脂製)を用い、同じ上記の方法で比較したが、リプルはナノバブルの性質として数と直径ではバブルリポゾームが優位であった。細胞に対する超音波照射実験による殺細効果は認められたものの、同様にバブルリポゾームの方が高い効果が得られた(約3倍)。一方上記と同じ細胞を使った遺伝子導入実験での比較試験では有意な差が認められなかった。リプルのバブル化はリポゾームほど、作成が容易でないことが今回の実験で判明した。製造過程での問題が考えられるが、はっきりした要因は特定できなかった。何れにしても今までの動物実験ではリプル注の毒性は認められず、細胞にも毒性がないことが確認できたので、リプルのバブルとしては”硬度”を利用し、耐久性に優れている点で超音波造影剤として使える可能性がある。今後はリピル注のさらなる細かい設定を決め、高速攪拌中の様子を詳しく観察し、最適は条件設定を行うことが必要と思われるが、本研究でリプルがナノバブルとして使える可能性が強く示唆された。今後のDDSおよび超音波造影剤としてリプルの応用に一歩前進したと考えられる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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