研究課題
基盤研究(B)
【研究1】心臓外科術患者の術後早期における筋タンパク分解を、 尿中に排泄される骨格筋の筋タンパク分解指標(3-methylhistidine/Creatinine;3MH/Cre)ならびに術後筋力変化より明らかにした。【方法】待機的に心臓外科術を受けた患者37名を対象とし、 術前後の血中Interleukin-6 (IL-6)、cortisol、growth hormone (GH)、IGF-1、BCAA、AAA、呼吸筋力、握力、膝伸展筋力、ならびに術後の24時間尿中3MHを計測し、各指標との関係を検討した。【結果】IL-6、cortisolは術後上昇し(P<0.05)、IGF-1/GH、 BCAA/AAAは低下し(P<0.05)、術後の異化亢進状態が確認された。尿中3MH/Creは術後4日目まで増え続け、5日目で下降した。その累積値はIL-6産生量や術後の膝伸展筋力と有意に相関した。【まとめ】心臓外科術後の異化亢進は術後筋タンパク分解や筋力低下と関連する。【研究2】心大血管外科術直後からの電気刺激(ES)介入の実行可能性と、術後筋タンパク分解に対する抑制効果を非ランダム化比較試験で検討した。【実行可能性】平成23年11月より取り込んだ連続症例68例を調査した。手術翌日よりES介入を2週間施行した。ES施行中の有害事象はなく、実行可能性の判定基準にも抵触する結果はなかった。【非ランダム化比較試験】 ES介入群32例と肥満度、炎症性サイトカインでマッチングした対照群32例を比較した。3MH/Creは手術翌日値に対する術後2~5日目の値の比を用いた結果、 ES介入群では介入群で対照群より有意に低値を示し、 筋力は介入群ではほぼ低下は認められなかったが、 対照群では術前比85%まで低下した。【まとめ】ES介入は心大血管外科術直後より安全に実行可能であり、術後筋タンパク分解の抑制ならびに筋力低下予防効果を有するものと思われた。
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