研究課題
人工網膜の基礎技術である電気刺激によって、どのような視覚情報を中枢神経系に与えることができるかを明らかにすることが、本研究の目的である。前年度に引き続き、ネコ大脳皮質一次視覚野から単一ニューロン活動および誘発電位の記録を行った。特に、誘発電位による人工網膜の評価だけでなく単一ニューロン活動の記録によって評価を行うために、多極の電極を有するシリコンプローブ電極を用いて、ネコ大脳皮質視覚野からの記録を行った。その結果、多くの電極からスパイクソーティングに充分な大きさの振幅を持つ多数のスパイクを安定して記録することができた。しかし、このようなスパイク活動が記録できるまでには、電極を脳内に刺入した後数十分程度の時間が最低でも必要になること、そのため電極の深さや刺入部位を頻繁に変えることが容易ではないことから、今回使用した、電極の載るshankの数の少ないタイプの市販型のシリコンプローブは、スパイク活動を記録することによってトポグラフィックマッピングを実施するためには、あまり適切ではないことが明らかとなった。誘発電位の解析として、網膜電気刺激によって記録された誘発電位波形の電極間の相関を計算した。その結果、電気刺激に対して最も大きな反応であった誘発電位と相関が高い誘発電位を生じた場所は、一次視覚野上で二次元的に見て、最大反応の生じた場所に近いところに存在していた。距離の離れた場所では相関は認められなかった。
3: やや遅れている
実験動物の生産において、コロニーの母群の不調のために、実験に充分な動物数が得られなかった。
コロニーの母群構成に改良を加えて実験動物の安定供給を図った。
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