研究課題
まず,これまでに開発したプロトタイプFESリハビリテーションシステムを用いて,片麻痺者のFESを用いた歩行リハビリシステムへの展開を検証した.歩行遊脚期の足関節背屈をFESにより制御しながら,電気刺激による知覚を利用して患者が随意背屈の発生努力をする訓練方法とし,随意運動の発生量に応じて刺激強度を変化させる.これを実現するため,FES制御中に計測した運動が随意努力の有無によりFES制御時と同等な運動や異なる運動となることを検証した.十分大きな刺激強度では,随意背屈努力の有無による動作の変化は見られないが,刺激強度を下げることで,随意背屈努力によりFES補助に類似した動作を行える可能性があることを示した.さらに,歩行中に知覚できる程度の低強度電気刺激においても,随意努力を行うことで,十分なFES補助の場合に類似した動作が発現可能であることを示した.これにより,センサシステムで動作を計測し,随意動作発生の程度に応じて刺激強度を調節する能動制御が有効であり,最大背屈量で刺激強度を調節する場合には,プロトタイプシステムをそのまま利用して実行可能であることを確認した.次に,短時間電気刺激による繰り返し運動中の筋疲労評価について,追加パルスによるM波の振幅を用いた筋疲労評価指標を検証した.等尺性条件下での筋力発生においては発生筋張力の低下が,膝伸展運動のフィードバック制御においては刺激強度の増加が筋疲労に相当するので,それらに対するM波筋疲労評価指標との関連性を検討した結果,通常のFES制御時のM波のみによる指標では関連性はほとんど得られなかったが,追加パルスによるM波を用いた指標では良好な相関関係が得られ,筋疲労モニタとして機能することを確認した.以上により,構築した技術を実装することで,筋疲労モニタを有する能動制御型FESリハビリシステムを実現できることを確認した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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