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2011 年度 実績報告書

介護負担軽減のための新しい安全な移乗方法および支援装置の研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 22300198
研究機関九州大学

研究代表者

高杉 紳一郎  九州大学, 大学病院, 助教 (40253447)

キーワード移乗介助 / 介護負担 / ロボット技術 / 電動車いす / ユニバーサルデザイン
研究概要

医療や介護の現場で,ベッドから車いす等への「移乗」に際しては,身体を回旋させて重心を移動させる複雑な手順が必要であり,患者や高齢者が転倒するリスクが高く,また介護者側の身体負担も非常に大きい.そこで我々は,身体の向きを変えずに,安全かつ容易に移乗できる方法と専用の装置を創案した.本年度研究では,
(1) 移乗支援装置の1次試作機の組み上げを完了するとともに,
(2) これを用いた移乗動作解析および体圧測定を行って問題点を抽出して企業側にフィードバックし,実用化へ向けた改良試行を繰り返して最適化を図る計画を立てた.
(1) 試作機については,企業側の開発チームに対して,大学病院の医師,理学療法士,作業療法士からなる研究チームから詳細な要求性能を伝え,問題点を解決しつつ設計を進めて,1次試作機を完成させて納品に至った.
(2) 動作解析については,この1次試作機を用いて,ベッドからの移乗動作について健常者による検証を実施し,動作解析用ダートフィッシュソフトウェアを用いて,従来の標準的車いすと異なる特性に関して比較検討を行った.その結果,新しい移乗方法では従来の方法と比べて,手順が少なく,身体を回さずに直線的な重心移動が行われるため,半分以下の時間で移乗動作を完了できる事が明らかとなった.
ところがテスト中に,試作機のハードウェアに複数の不具合が見つかり,修正が必要と判断した.その具体的内容は,胸当てパーツの改良(可動式へ),座面昇降方式の設計変更(x-z方向のみに単純化),シート傾斜方式の仕様変更(座面と胸当てが連動するティルト方式を採用)であった.これらは初期設計では予見できない問題点であり,研究計画の一部を最終年度に繰り越して,体圧測定に着手する前に課題を解決して,最適化した2次試作機を前倒しで製作する方針とした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の中盤までは予定通りに進み,1次試作機を用いた移乗動作について,動作解析ソフトウェアを用いて従来の標準的車いすとの比較検討を行い,「新しい移乗方法では従来法と比べて,直線的な重心移動が行われ,半分以下の時間で移乗を完了できる事」を明らかにした.
ところがこの検証試験中に,1次試作機のハードウェアに複数の不具合が見つかり,修正が必要と判断した.その詳細な内容は,
(1) 胸当てパーツの交換(固定式から →可動式へ),
(2) 座面昇降方式の設計変更(x方向z方向の独立2系統制御から →x-z斜面方向のみに単純化)
(3) シート傾斜方式の仕様変更(リクライニング方式でなく →座面と胸当てが連動して傾くティルト方式を採用)であった.
これらは初期設計からは予見できない問題点であり,やむを得ず研究計画の一部を最終年度に繰り越して,複数の課題を解決して,最適化した2次試作機を前倒しで製作する方針とした.

今後の研究の推進方策

最終年度では,残された課題の解決を目指して,身体接触部位における体圧測定を行うとともに,移乗動作の解析を繰り返して残る課題を抽出し,実用化へ向けて試作機の手直しと機能の最適化を図る.さらには,移乗と移動だけでなく,日常生活活動をも支援できるデバイスとしての新たな付加機能を模索する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 画期的な移乗法を実現する移乗支援装置

    • 著者名/発表者名
      上島 隆秀
    • 学会等名
      第21回福岡県理学療法士学会
    • 発表場所
      福岡
  • [学会発表] 高齢者や障害者の安全な移乗と移動を支援する電動車いすの研究開発

    • 著者名/発表者名
      高杉 紳一郎
    • 学会等名
      第27回日本義肢装具学会学術大会
    • 発表場所
      東京
  • [備考] 九州大学病院リハビリテーション部

    • URL

      http://www.med.kyushu-u.ac.jp/reha/RODEM/RODEM.html

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公開日: 2014-07-24  

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