研究課題/領域番号 |
22300206
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三木 ひろみ 筑波大学, 体育系, 准教授 (60292538)
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研究分担者 |
宮崎 明世 筑波大学, 体育系, 准教授 (10517197)
岡出 美則 筑波大学, 体育系, 教授 (60169125)
長谷川 悦示 筑波大学, 体育系, 准教授 (80272227)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ワークアビリティ / コンピテンシー / リテラシー / 社会人基礎力 / 学士力 / 教師力 |
研究概要 |
平成24年度には以下の実践・研究に取り組んだ。 1)体育学部の専門教育に関わる授業及び授業外の学習プログラムの改善と評価 専門語学としての英語教育、教職に関する科目においてワークアビリティの向上を目指した実践を行った。体育学の専門語学(英語)の教材資料集を作成した。スポーツ指導で活用できる英語力の習得を目指して少人数でワークショップを実施し、視覚教材作成のための映像を撮影した。体育のカリキュラム、体育の学習指導法に関する科目を受講した大学院生に、授業で学んだことを1時間の講義にまとめさせ、他教科の教員を目指す大学院生を対象に授業を行わせ、学んだ知識を二次活用する能力と二次活用することで専門的知識の定着を諮る実践を行った。 2)保健体育教員養成に関わる授業及び授業外の学習プログラムの改善と評価 教育実習校で体育学部生の指導に当たる現職教員と定期的に意見交換を行い、現職教員が大学で行う教育実習の事前指導の手引書を改訂した。体育の模擬授業を行った後、ウェブ上で授業映像を見直してリフレクションを記入するシステムを活用して批判的思考力を高める実践を行った。記入作業に多くの時間がかかるという欠点があったが、批判的思考力と授業省察力を向上させることができた。 3)保健体育教員養成課程を持つイギリスのベドフォードシャー大学、アメリカのオハイオ州立大学、オーストラリアのクイーンズランド大学の教員を招聘し、日本の他に9カ国の大学院生が参加する研究デザイン立案のためのワークショップを実施し、日本人の体育学専攻生の特徴をワークアビリティについて評価を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
体育学専攻生のワークアビリティの側面として、社会人基礎力、(保健体育)教師力、研究能力、コミュニケーション能力、批判的思考力を中心に、これらの能力を向上させる授業・学習プログラム・教材・指導法について検討を進め、数多くの有効な実践を行うことができた。今後の課題は、これらの有効な実践の効果をより客観的に評価し検証することと並行して、体育専攻生のワークアビリティ育成のための授業モデルや評価尺度を構築することである。
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今後の研究の推進方策 |
社会人基礎力、(保健体育)教師力、研究能力、コミュニケーション能力、批判的思考力を向上させる授業・学習プログラム・教材・指導法について検討を進め、数多くの有効な実践を行うことができた。 今後の課題は、これらの有効な実践の効果をより客観的に評価し検証することと並行して、体育専攻生のワークアビリティ育成のための授業モデルや評価尺度を構築することである。ワークアビリティに関連する評価尺度として、社会人基礎力テストや批判的思考力テストなどが数多く開発されている。より一般的な尺度として用いられているこれらの評価方法を、体育学の専門領域や職業教育における特徴的な学習活動や実習、体験に照らして分析する必要がある。また、専門教育を通じて習得した知識や能力をワークアビリティとして発展させる契機となる学習状況や体験を明らかにし、それらを提供する方法についても検討する必要がある。
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