舞踊の技能獲得を促進するためのセンサー技術を開発し、舞踊教育の効果を高めるシステムを実現することを目的とする。身体に複数の小型軽量振動加速度センサーを取り付け、無線技術によって身体の複数部位の動作情報を伝送し、コンピュータは瞬時にその動作情報から舞踊の技能の高さを定量的に分析し、液晶プロジェクタによって呈示することにより、自分の身体動作のどこに問題があるかを客観的に知ることができる装置を開発する。また、複数の生徒が同時に舞う場合に、協調性、競争心をコントロールすることができるように音響出力、映像出力を工夫し、演出効果を高めることによる舞踊教育効果への影響を調べる。 平成22年度は従来型よりもさらに小型軽量の振動加速度センサーを開発し、その取り付け方法について検討した。多くの無線センサーを駆動する場合にデータ転送速度が一定にならず、さらに条件が悪い場合はデータ転送が不能になるという問題が生じている。無線プロトコルは無線USB規格を用いており、また電磁波の帯域は2.4GHz帯を用いているため、一般の無線LAN、Bluetoothなどで用いられる通信機器類や電子レンジなどの生活機器などの電波干渉の影響によるものと考えられる。 現段階では2.4GHz帯という限られた電波資源の中でいかに信頼性の高い身体動作情報を伝送できるかを検討している段階であり、研究計画に記載された身体動作のデータベース化までには至っていない。 しかしながら、室内に複数の受信個所を設置するなどの工夫をすることにより、データ転送の信頼性を高めることは原理的に可能であり、次年度は計測する室内環境も含めてシステムを構築する予定である。
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