研究課題/領域番号 |
22300208
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊勢 史郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20211732)
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キーワード | 舞踊教育 / 無線振動加速度センサー / 音と身体の同時性 / 身体動作データベース / うつ病対策 / 協調と競争による身体制御 / 空間の非日常性制御 |
研究概要 |
舞踊の技能獲得を促進するためのセンサー技術を開発し、舞踊教育の効果を高めるシステムを実現することを目的とする。身体に複数の小型軽量振動加速度センサーを取り付け、無線技術によって身体の複数部位の動作情報を伝送し、コンピュータは瞬時にその動作情報から舞踊の技能の高さを定量的に分析し、液晶プロジェクタによって呈示することにより、自分の身体動作のどこに問題があるかを客観的に知ることができる装置を開発する。 また、複数の生徒が同時に舞う場合に、協調性、競争心をコントロールすることができるように音響出力、映像出力を工夫し、演出効果を高めることによる舞踊教育効果への影響を調べる。 本年度はWireless USBプロトコルを用いた無線振動加速度センサーを開発し、基礎的な実験を行った。同プロトコルは仕様上は100mの距離での通信が可能としているが、アンテナ同士が直接的に見通せない場合には3m程度に通信距離が短くなることがわかってきた。当初は上記無線振動加速度センサーを多数準備して被験者に装着させる実験を計画していたが、無線デバイスの性能を十分に引き出せる実験は難しいことがわかった。一方、振動加速度ピックアップを備えたモバイル機器(例えばApple社iPodなど)が低コストで入手できるようになってきている。そこで、ワイヤレスで通信するのではなく、モバイル機器の中に振動情報を音情報とともに蓄積し、舞踊行為が終わった後でそれらのデータをサーバーに転送するオフライン方式を採用する方式を検討し、その開発環境を準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では無線振動加速度を開発し、装置を装着した多数の被験者による、集団の心理実験を行うことを目的としているが、無線LAN、Bluetoothなどと電磁波帯が重なるため想定していた無線デバイス(Wireles USBプロトコル)の理論的な性能を引き出す実験環境を作ることが難しい。
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今後の研究の推進方策 |
無線振動加速度センサーをハードウェアレベルで開発するのではなく、低コストで入手可能な既存の振動加速度ピックアップを備えたモバイル機器(例えばApple社iPodなど)を利用し、リアルタイムでワイヤレス通信を行わずに、モバイル機器の中に振動情報を音情報とともに蓄積し、舞踊行為が終わった後でそれらのデータをサーバーに転送するオフライン方式を採用する。
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