1.感性脳神経回路を賦活する音響音楽システムの開発:①超高密度高複雑性の音響を生成するアコースティック楽器システムの開発を継続し、モジュール化された発音体の組み合わせにより様々な倍音成分や複雑な超高周波成分を生成するよう設計された鍵盤楽器群と振奏楽器群からなるアコースティック楽器システムのプロトタイプを開発した。②超広帯域音響ソフトウェアの開発:楽器音及び自然環境音の超広帯域マルチチャンネル・ディジタル録音により得られた記録物を対象に、超広帯域音響編集システムを構築して編集を施し、超広帯域音響ソフトウェアを開発した。 2.超広帯域音響呈示システムの構築:1-②により開発した音響ソフトウェアを、100kHzに及ぶ良好な特性で空気振動に変換しうる超広帯域音響呈示システムを構築した。 3.開発した音響ソフトウェアの安全性と感性脳神経回路賦活効果の検証:1で開発した超広帯域音響ソフトウェアを、2により構築した超広帯域音響呈示システムを用いて再生した場合の感性脳神経回路賦活効果について、健常者を対象に、脳波を指標とした生理学的評価法により検証した。また、平成24年度の研究で開発した音響物理構造可変呈示システムを用いて、生成する音響音楽の周波数帯域や可聴域と超高周波成分の相互相関構造を変化させて呈示した場合の生理的変化を計測する評価実験を継続し、音響音楽の物理構造特性と、その神経生理学的作用との関連について検討した。 4.運用プログラムの開発:開発した音響音楽システムを教育・医療現場で運用するためのプログラム開発を継続した。 5.教育および医療の現場における試験運用:幼児教育者の育成現場及び精神科医療の臨床現場において、1~3により開発した感性脳を賦活する音響音楽システム――アコースティック楽器群のプロトタイプと音響ソフトウェアを用いて、4により開発した音響音楽プログラムの試験運用を実施した。
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