研究課題
高齢者が過剰な努力を必要とせず、安全なADLのため必要な大腿四頭筋の筋力水準を示すことが本課題の目的である。そこで平成25年度は運動プログラム確立のための適正運動強度について研究を絞った。対象は10~18歳の青少年(男女)、40~70歳の中高年(男女:介護群も含む)約200名であった。表面筋電図法により、大腿四頭筋における最大発揮筋力と自重を負荷としたスクワット動作の筋活動水準の関係について実証実験を行った。各対象者の体重あたりの筋活動水準(QF %EMGmax)を求めた。KET/BMは、若年者群が5.0 ± 0.7 Nm/kgであり、介護群が0.7 ± 0.2 Nm/kg、高齢者群が1.5 ± 0.9 Nm/kg、中高年者群が3.0 ± 0.9 Nm/kg、介護群が他の3群と比較して有意に低い値であった。スクワット動作時のQF %EMGmaxは、介護群で72.0 ± 19.2%、高齢者群で51.6 ± 22.7%、中高年者群で25.3 ± 9.6%、若年者群で13.8 ± 4.1%であり、介護群が他の3群と比較して有意に高い値を示した。折れ線回帰分析の結果、KET/BMとQF %EMGmaxの関係には、KET/BMが1.9Nm/kgを変曲点とする2相の負の相関関係が認められた。自体重を負荷としたスクワット動作中における大腿四頭筋の筋活動水準は、その最大発揮筋力に影響を受けた。また、KET/BMが1.9 Nm/kgを下回る者にとってのスクワット動作は、相当な高強度に類するエクササイズになることが明らかとなり、過剰な努力を必要とせずにADL動作を遂行するために必要な大腿四頭筋の筋力水準であることが示された。本研究で示された変曲点に基づき、膝の屈曲角度を正確に規定することが重要である。よって高齢者の形態、体力・筋力、ADLレベルを考慮した運動プログラムを考察した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Sport and Health Science.
巻: 3 ページ: 28-36
日本生涯スポーツ学研究
巻: 10 ページ: 14-22