研究概要 |
本研究では,スポーツにおいて飛翔する競技者や,ボールなどの飛翔体そのものに慣性センサを装着または内蔵し,センサから得られる信号から飛翔中にヒトやモノに作用した流体力を推定することを目的と.研究対象としては,ヒトの飛翔として,スキージャンプをとりあげ,モノの飛翔についてはフライングディスク,円盤投における円盤および野球ボールを研究対象としている.H22年度においては,スキージャンプにおける飛翔中のジャンパーの運動計測を2010年8月に白馬スキージャンプ場において実施した.身体重心,スキー板に装着した慣性センサにより運動を計測するとともに,側方からの高速度カメラ撮影によって,選手の運動を絶対座標から観測した.フライングディスクにおける飛翔観測においては,複数の高速度カメラを用いた飛翔期の三次元映像解析を行い,円盤の回転数,回転軸方向などの運動学変量を明らかにした.円盤投においては,慣性センサ内蔵の円盤の開発に着手し,女子用,男子用の円盤のプロトタイプを作成し,無線計測についての基礎実験を行った.フライングディスク,および円盤については,その空力特性を明らかにするために,実寸大のフライングディスク,円盤を用いた風洞実験を行ったこのうち円盤については大きさと重量による制限から,女子用の空力データが得られ,フライングディスクについては,実験は行ったものの,偏心と重量による振動が影響し,安定した空力データを得る事が出来なかったため,再度フライングディスクへの加工を行う事で実験をH23年度に行う事とした.
|