研究概要 |
本年度は、不動化期間中のサプリメントが筋および血管の形態・機能に及ぼす効果の検討を目的とした。1、被験者:被験者として,健常成人男性14名を対象として,21日間の上肢ギプス固定を行う。被験者のうち7名は,クレアチン10g/日をギプス固定前7日間とギプス固定中21日間服用した(固定+サプリ群)。また、別の7名をプラセボ群とした(固定+プラセボ群)。2、 実験手順:サプリメント(プラセボ)の投与は,二重盲検法とする。サプリメントは、各指標の測定は,固定開始7日前(サプリメント投与前),ギプス固定前(サプリメント服用21日後)と, ギプス固定後21日目の3回施行する。栄養調査についても実施した。3、測定指標:測定指標として,MVC,前腕最大周囲径,前腕の筋量および骨量,30%MVC強度の1秒に1回の頻度での動的グリップ運動の持続時間(パフォーマンス)を測定した。近赤外分光法の測定指標は運動後酸素消費量回復時定数(TcVO2mus)と安静時代謝率とし,磁気共鳴分光法(MRS)については,筋内脂肪分布,運動後クレアチンリン酸(PCr)回復時定数(TcPCr),無酸素代謝系活性と安静時代謝率を測定した。また,超音波法により,上腕動脈血流量,血管内皮機能を測定した。 測定の結果、クレアチン投与により、持久力の増加が確認されたが、クレアチン投与は、固定による各種機能の低下を改善することは確認できなかった。 今後は、データの解析をさらに詳細に行い、有酸素代謝と無酸素代謝を区別して、さらに検討を進める予定である。
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