研究概要 |
本研究の目的は,国内外の研究によって青少年の様々な危険行動と密接な関連があることが明らかになっているライフスキルを形成することに焦点を当てた中学生用性教育プログラムを開発し,準実験計画法に基づく介入研究を行い,その有効性を明らかにすることである。そのために本年度は,次年度からスタートする形成的評価研究の準備を進めた。 第一に,中学校1年生用プログラムの最終版(8時間)を作成した。プログラムの授業名は(1)ニーズ調査(思春期の心や体について知りたいこと),(2)思春期の体の変化,(3)思春期の心の変化,(4)思春期の心と体に関する情報源,(5)私の成長と家族,(6)ストレスへの対処,(7)よりよい人間関係を築く,(8)友人関係に伴うトラブルの解決,である。 こうしたライフスキル形成に基礎を置く性教育プログラムはわが国で初めて開発されたものであり,その意義は極めて大きいと言える。 第二に,教師用授業評価表と生徒用質問紙を開発した。生徒用質問紙の主な質問項目は(1)セルフエスティーム(全般.家族,身体),社会的スキル,ストレス対処スキル,意志決定スキル,(2)性に関する自己効力感,性に対する価値観,考え,規範意識,性に関する行動意図,性行動,認知された友人の性行動,(3)メディアリテラシー,である 第三に,川口市教育委員会と連携して,平成22年8月に2日間のワークショップを開催した。そして参加校の中から1校を選定し,23年度から形成的評価研究を実施することとした。 以上のように平成23年度からスタートする形成的評価研究の準備はすべて整った。
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