研究概要 |
本研究の目的は,国内外の研究によって青少年の様々な危険行動と密接な関連があることが明らかになっているライフスキルを形成することに焦点を当てた中学生用性教育プログラムを開発し,準実験計画法に基づく介入研究を行い,その有効性を明らかにすることである。本年度は,中学校1年生を対象として形成的評価研究を実施した。 平成23年4月に,埼玉県川口市のA中学校と新潟県村上市のB中学校の1~3年生909人を対象としたベースライン調査を実施した。 ベースライン調査後,A中学校においては,1年の全クラスを対象として,6月から11月にかけて以下の性教育プログラム(全8時間)を実施した。(1)中学生の心と体の健康に関する生徒のニーズ調査,(2)思春期の体の変化,(3)思春期の心の変化,(4)思春期の心と体に関する情報源,(5)私の成長と家族,(6)ストレスへの対処,(7)よりよい人間関係を築く,(8)友人関係に伴うトラブルの解決 授業の録画記録と,授業後に各担当教師が記入した教師用授業評価表の結果に基づいて形成的評価を行った。その結果によれば,プログラムの内容や学習活動は生徒・教師の双方から極めて高く評価された。 また,1年生用のプログラムの形成的評価と並行して,2年生用のプログラム(全6時間)と3年生用のプログラム(全5時間)も完成した。 平成24年3月には,ベースライン調査と同一の調査票を用いて,A中学校とB中学校の全生徒を対象とした2回目の質問紙調査を実施し,現在は解析作業を進めている。
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