研究課題
加齢や生活様式の急激な変容などが要因となり,ヒト認知機能が低下することが科学的に明らかとなってきており,高齢社会と高度な近代社会である我が国では,今後益々認知機能の低下が社会問題となることが予想される.したがって,脳機能改善を目的とした方策の確立が急務のこととなっている.特別な医学的処置を施さない場合,認知機能の改善には身体運動が効果的であることが生化学的アプローチなどにより明らかとなりつつある.一方で,自重を用いた筋力トレーニングにより筋力増加など筋機能が増加することは既に我々が明らかにしているが,その反面,筋力トレーニングは単純な動作様式で構成されるため,「飽き」によってトレーニングの継続を困難にするケースも多々ある.本研究では,テストケースとして,単純な動作で構成されている従来の筋力トレーニングだけではなく,複雑な動作かつ,筋力増加をもたらすのに十分な運動強度をもつ新しいトレーニング方法の確立を目指す.将来的には筋機能だけではなく,認知機能に対しても効果的である筋力トレーニングの確立を図ることを目的とした.当該年においては,我々が採用してきた自重トレーニング(貯筋運動トレーニング)メニューのうち,スクワット動作を対象にした.膝関節を対象に,関節角度計(ゴニオメータ)から膝関節角度をリアルタイムにて取得し,Labviewソフトウェアを介して関節角度によって,音階をつけるようシステムを作成した.その結果,膝関節の伸展・屈曲動作によって一オクターブ内の曲であれば音生成が追従可能であった.今後は,実際にこのシステムを高齢者等を対象とした運動トレーングとして応用し,トレーニング前後において,筋機能評価だけではなく,生化学的指標を用いて脳認知機能への効果を明らかのすることを試みる.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Physiol Anthropol.
巻: 32 ページ: 印刷中
10.1186/1880-6805-32-5.
10.1186/1880-6805-32-4.
Eur J Appl Physiol.
巻: 112 ページ: 1945-1953
10.1007/s00421-011-2176-9