研究課題/領域番号 |
22300242
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
吉田 康一 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 部門長 (90358333)
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研究分担者 |
七里 元督 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (20434780)
赤澤 陽子 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (50549897)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | バイオマーカー / 生活習慣病 / 脂質 / 酸化ストレス |
研究概要 |
本研究の目標は、ヒト臨床検体によって有用性を検証した脂質由来の酸化ストレスマーカー(特にリノール酸およびコレステロールの生体内酸化によって生じるヒドロキシリノール酸(HODE)およびヒドロキシコレステロールとその前駆体)の生理的意義を明確にすることである。 ① ヒドロキシリノール酸の細胞応答メカニズム解明 ヒト表皮細胞(HaCaT)を用いてHODE異性体による細胞応答について検討を行った。細胞保護作用は、HODE添加後に過酸化水素で酸化ストレスを負荷し、その後の生細胞数をMTT法により計測した。細胞応答は、DNAアレイ解析および抗酸化システムの変化としてグルタチオン(GSH)含量やヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)等の発現レベルの測定を、RT-PCR法やウエスタンブロット法を用いた解析を行った。過酸化水素により誘導される細胞死に対して、HODEの前処理により細胞保護効果が認められ、その効果は異性体種によって異なった。また、細胞保護作用が認められたHODE異性体では、NF-E2 related factor 2 (Nrf2)の核内移行を介したGSH含量の増加とHO-1の発現上昇が認められ、抗酸化機能の活性化が明らかとなった。以上の結果からHODEは異性体種によって異なる細胞応答を誘導し、その細胞保護作用には抗酸化能の上昇が寄与していると示唆された。この研究成果を論文投稿準備中である。 ②ヒト試験による有用性検証 健常者に対して糖負荷試験を実施し、ヒドロキシリノール酸の異性体の中でも、一重項酸素によって特異的に生成する10、12-HODEが境界型糖尿病等の早期診断に有効である見通しを得た。論文として報告するとともに、細胞実験、動物実験によってより詳細なメカニズム解明研究へと展開した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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