研究課題/領域番号 |
22300247
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
近藤 加代子 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70221984)
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研究分担者 |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40150502)
包清 博之 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60161171)
田上 健一 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50284956)
井上 朝雄 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70380714)
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キーワード | 地球温暖化ガス削減 / 省エネルギー / ライフスタイル / 風土 / 人間生活環境 / 住宅 / 緑化 / 生活行動 |
研究概要 |
中国における寒冷地である大連市において、大連理工大学の研究協力の下、都市部および農村部において、住宅・緑地および生活行動に関して、低炭素発展に寄与する風土適応型ライフスタイルに関して実地調査を実施した。大連都市部の築30年の社宅およびマンション、築5年の環境共生住宅、農村部の築100年から築60年の住宅地、郊外農村部の築20年の住宅地において、住宅の変遷、家電その他の使用状況、周辺緑地の状況および住宅・地域における生活行動について、物理的状況調査、ヒアリングおよびアンケート調査を行った。その結果、改革開放以後の生活の近代化の中で、資源・エネルギーに関する消費的な行動変化、地域関係の変化、暖房手段の変化等が起こってきていることが分かった。都市部の生活行動調査では、近隣相互扶助行動および資源節約行動の弱化が確認できた。環境共生住宅においては公共空間の環境維持行動への参加が弱いことが分かった。ペアガラス等の普及は著しいが、地域暖房の効率的利用について課題があった。農村部では、伝統的なカンの利用形態の変化に対応した生活空間および暖房利用に課題があることが判明した。寒冷地であるためにエネルギー消費は、冬季の暖房・給湯の利用法が左右する。都市では、家庭の暖房・給湯調整行動とそれを規定する環境条件についてより明確にしていく必要がある。農村ではそれに加えて、住宅全体の暖房の効率的な設計のあり方が課題となる。今年度の調査によって、寒冷地における住宅の建築的特性だけでなく、住宅地周辺状況の地域的特性および生活行動の特性もあわせて多面的かつ継時的に把握されたことは、非常に有意義である。
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