研究課題/領域番号 |
22300249
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
水谷 千代美 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (00261058)
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研究分担者 |
矢羽田 明美 信州短期大学, 介護福祉学科, 教授 (80369313)
高寺 政行 信州大学, 繊維学部, 教授 (10163221)
細谷 聡 信州大学, 繊維学部, 准教授 (40293500)
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 繊維科学センター, 特任教授 (10133133)
白井 汪芳 信州短期大学, 介護福祉学科, 教授 (80021153)
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キーワード | 抗菌消臭繊維 / 寝たきり高齢者 / 金属フタロシアニン / 介護服 / 介護負担 / 皮膚疾患 / 皮膚pH / 筋活動量 |
研究概要 |
我が国の寝たきり状態の高齢者が世界のどの国よりも多く、今後も増加する傾向にある。寝たきりになると身体機能が低下して排泄物の臭い、皮膚疾患、褥瘡などの問題が生じる。高齢者施設や病院では、尿臭や食物臭などの臭いが問題視されている。そこで、我々は消臭機構の異なる消臭抗菌繊維に着目し、それらの消臭・抗菌性を調べた。消臭速度や消臭能力の結果から介護用品や介護服に応用し、その効果を検証した。皮膚に接触する衣服の場合は、人体に無害で人体に起源する汗や脂肪酸などの異なる種類の臭気を消臭しなければならない。金属フタロシアニン加工布は、高い消臭効果が得られ、靴下に展開して臨床テストを行った結果、皮膚疾患に有効な結果が得られた。一般的に健康な皮膚は弱酸性であるが、発汗により中性からアルカリ性に変化する。皮膚がアルカリ性に変化することで、皮膚表面に存在する黄色ブドウ球菌などの雑菌が繁殖しやすく症状が悪化することが懸念される。我々は皮膚のpHを弱酸性に保つことが出来る繊維を衣服に展開し、その効果を実証することができた。他方、金属フタロシアニン加工不織布は、アンモニア臭に対して消臭速度が速いことから閉鎖式導尿バックのカバーに展開し、被験者の臭覚による評価で消臭効果を実証できた。 寝たきり高齢者を介護する人は、衣服の着脱が負担となり腰痛を患っている。我々は、これまでに着脱しやすい介護ズボンを設計し、腕の筋活動量により介護の負荷量を調べてきた。今年度は、腰部分の筋活動量を測定することが可能となり、介護ズボンの開口部の有無・デザインが腰の筋活動量に与える効果を調べた。その結果、介護ズボンの開口部が広い方が着脱動作の負担量が軽減されることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、大学の研究者、高齢者施設の医者、看護師、介護士、理学療法士などで構成され、それぞれの専門知識がうまく活かされたためにおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に準じて、計画どおり進めていく予定である。
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