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2012 年度 実績報告書

味と物性の接点を探る―モデル味細胞膜を用いた物理的に感じる味の測定―

研究課題

研究課題/領域番号 22300256
研究機関東京大学

研究代表者

朝倉 富子  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20259013)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード味覚 / 持続性 / 表面プラズモン共鳴 / 物性 / リポソーム
研究概要

食品の「おいしさ」は、味、匂い、舌触り、温度、歯ごたえ、色など五感すべてで認識される感覚によって評価される。特に味はおいしさの主たる要因である。味には五基本味以外にも辛味、渋味、えぐ味など科学的な味ではなく、痛覚などの体性感覚を刺激する味もある。さらに「なめらかな味」「粉っぽい味」など物性が味とリンクする例も少なくない。近年第6番目の味といわれているコク味も厚み、広がり、複雑さ、持続性といった言葉で表現されるように、物性と味とは密接な関係がある。現在までのところ、これらの味を評価する系としては官能評価があるのみである。本研究では、これらの複雑な“味”を評価する客観的な系を構築することを目的とした。特に、持続性に焦点を当てた研究を展開した。
味物質は舌上皮に結合し、唾液に溶けた状態となって味孔へと移動し、味覚受容体と相互作用し、味のシグナルが味神経を経由して脳へと伝達され、味として認知される。舌表面との相互作用が強い物質は舌上に長く残留し、徐々に唾液に溶けて味孔に達することから、味シグナルが持続すると考えられる。そこで、モデル味細胞膜として人工脂質二重膜を作製し、食品成分との相互作用を測定した。相互作用を測定する方法として表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた。その結果、センサーグラムの形状などから、相互作用の強いグループ、弱いグループ、どちらにも分類されないものの3グループに分類された。相互作用の強いグループには、ギムネマ酸、モネリン、ミラクリンなど、味覚修飾活性を有するタンパク質や、エピガロカテキンガラート(EGCG)などが含まれた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Oral and extra-oral taste perception2013

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, K.
    • 雑誌名

      Semin Cell Dev Biol.

      巻: 24(3) ページ: 240-246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of Bitterness-Masking Compounds from Cheese2012

    • 著者名/発表者名
      Homma,R.
    • 雑誌名

      Journal of Agricultural and Food Chemistry

      巻: 60 ページ: 4492-4499

    • DOI

      10.1021/jf300563n

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 味の持続性を計測する2012

    • 著者名/発表者名
      朝倉 富子
    • 雑誌名

      生物の科学 遺伝

      巻: 66 ページ: 661-667

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス小腸上皮における味覚関連遺伝子群の発現解析

    • 著者名/発表者名
      吉岡 美紗子
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] シロイヌナズナシグナルペプチドペプチダーゼ(AtSPP)の発現系の構築及び酵素活性の解析

    • 著者名/発表者名
      星 雅子
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] 苦味抑制物質としての脂肪酸の作用機序の解明

    • 著者名/発表者名
      本間 亮丞
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] 塩味受容体hENaC発現細胞系による化合物ライブラリーを用いた塩味増強剤の探索

    • 著者名/発表者名
      松田 龍星
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] 登熟期イネ種子の遺伝子発現に及ぼす追肥の影響

    • 著者名/発表者名
      緑川 景子
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] 総エネルギー量一定条件下でPFCバランスの異なる食餌を摂取させたラットの肝臓における比較遺伝子発現解析

    • 著者名/発表者名
      永井 俊匡
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2013年度大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] プロテアーゼ処理豆腐の冷凍保存

    • 著者名/発表者名
      舟木 淳子
    • 学会等名
      日本家政学会第64大会
    • 発表場所
      大阪市立大学(大阪)
  • [学会発表] チーズに含まれる苦味抑制物質の同定とその抑制メカニズム

    • 著者名/発表者名
      本間 亮丞
    • 学会等名
      日本食品科学工学会第59回大会
    • 発表場所
      藤女子大学(札幌)
  • [図書] 新 櫻井総合食品事典2012

    • 著者名/発表者名
      朝倉 富子 石丸 喜朗
    • 総ページ数
      1183
    • 出版者
      同文書院

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公開日: 2014-07-24  

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