塩味増強効果の定量的評価法の開発

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22300258
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 食生活学
• 研究機関: 奈良女子大学
• 研究代表者: 植野 洋志 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30241160)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 塩味増強剤 / GABA / GAD / 対比効果 / 味蕾 / 味覚情報伝達 / 香辛料 / アミノ酸分析

研究概要

塩を加えなくても味質を損なわない減塩食品の開発は望まれている.塩味を感知するIII 型味蕾細胞内でGABA 合成酵(GAD67)が機能することより,GAD67 酵素活性に影響を与える食品成分(香辛料)に注目し,その塩味増強効果を評価する手法を開発した.GAD67 酵素活性を活性化する食品成分は,官能試験においても塩味増強効果を示すことが統計的に判明した.これにより,香辛料を用いる減塩食品への可能性が示唆できた.また,このような減塩食品は,対比効果の結果,うま味なども損なわない可能性が合わせて示唆できた.

研究成果

• [雑誌論文] GAD67 の活性に影響を与える食品成分と味覚の伝達との関連 - ハーブに含まれる食品成分による酸味と甘味に与える影響 - (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐々木 公子,龜山 菜美子,園部 菜穂,濱野 香里,植野 洋志
  • 雑誌名: 美作大学・美作大学短期大学部紀要 巻: 58 ページ: 1-10
• [雑誌論文] GAD67 の活性に影響を与える食品成分と味覚の伝達との関連 - ハーブに含まれる食品成分の味覚への影響評価 - (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐々木 公子,森本 仁美,濱野 香里,植野 洋志
  • 雑誌名: 美作大学・美作大学短期大学部紀要 巻: 57 ページ: 1-7
• [雑誌論文] GABA(γ-アミノ酪酸)の味覚への関与について～酸味と塩味への関与～ (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐々木 公子,渡部 治奈,植野 洋志
  • 雑誌名: 美作大学・美作大学短期大学部紀要 巻: 56 ページ: 9-14
• [雑誌論文] GABA(γ‐アミノ酪酸)の味覚への関与について (2010)
  • 著者名/発表者名: 佐々木 公子,岩城 知津,植野 洋志
  • 雑誌名: 美作大学・美作大学短期大学部紀要 巻: 55 ページ: 65-70
• [学会発表] Establishment of database for free amino acids in food (2013)
  • 著者名/発表者名: H.Ito, S.Akagiri and H.Ueno
  • 学会等名: 40th International Symposium on High Performance Liquid Phase Separations and Related Techniques
  • 発表場所: Tasmania, Australia
  • 年月日: 20131118-21
• [学会発表] 野菜・果実中の遊離アミノ酸データベース化を目指した分析・定量 (2013)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 日向子,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 第86回日本生化学会大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130911-13
• [学会発表] Quantitative amino acid analysis of free amino acids in food (2013)
  • 著者名/発表者名: H.Ito, S.Akagiri and H.Ueno
  • 学会等名: Asianalysis XII
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 20130822-24
• [学会発表] 香辛料の塩味増強効果とGABA 合成酵素(GAD)の活性制御機構との関係 (2013)
  • 著者名/発表者名: 植野 洋志
  • 学会等名: 味と匂学会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2013-09-07
• [学会発表] 食品中の遊離アミノ酸のデータベース化を目指した抽出条件の検討及び定量 (2012)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 日向子,田中 仁美,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] 味覚におけるGAD アイソフォームの役割について:食品成分によるGAD 活性への効果と味覚に与える影響から検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 久木 久美子,濱野 香里,植野 洋志
  • 学会等名: 2012年度日本味と匂学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2012-10-05
• [学会発表] GABA合成酵素の活性化を促す香辛料成分の探索と味覚改変効果について (2012)
  • 著者名/発表者名: 濱野 香里,久木 久美子,佐々木 公子,赤桐 里美,鳴神 寿彦,植野 洋志
  • 学会等名: 2012年度日本生物高分子学会大会
  • 発表場所: 秋田
  • 年月日: 2012-09-22
• [学会発表] グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD67)の活性化と塩味増強効果について (2012)
  • 著者名/発表者名: 植野 洋志,久木 久美子,濱野 香里,佐々木 公子,森 美奈子,中村 友美
  • 学会等名: 第429回ビタミンB 研究協議会
  • 発表場所: 湘南
  • 年月日: 2012-09-01
• [学会発表] 食品中の遊離アミノ酸の抽出検討及びデータベース化を目指した定量 (2012)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 日向子,田中 仁美,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 日本農芸化学会関西支部第475回講演会・ミニシンポジウム
  • 発表場所: 大阪府大
  • 年月日: 2012-07-14
• [学会発表] 減塩食品開発を目指して:天然物由来成分の塩味増強効果を定量的に評価するシステム開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 植野 洋志
  • 学会等名: 2012 年度 日本農芸化学会 産学官学術交流委員会フォーラム
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2012-03-24
• [学会発表] スパイス・ハーブのγ-アミノ酪酸(GABA)合成酵素の活性に及ぼす効果と味覚との関係についての検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 濱野 香里,久木 久美子,伊藤 美奈,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] ラット脳由来GAD67 の酵母における低温発現系の構築 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤田 星海, 伊藤 美奈, 佐原 健彦, 赤桐 里美, 植野 洋志
  • 学会等名: J. Biol.Macromol.10, 62
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2011-09-16
• [学会発表] 食品中の遊離アミノ酸組成の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 日向子,田中 仁美,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: J. Biol. Macromol.10, 47
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2011-09-16
• [学会発表] スパイス・ハーブのGABA 合成酵素アイソフォームGAD67 の活性に及ぼす効果と塩味増強効果の関係についての検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 濱野 香里,久木 久美子,伊藤 美奈,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: J. Biol. Macromol.10, 46
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2011-09-16
• [学会発表] GAD活性に係わる食品成分が与える塩味増強効果について (2011)
  • 著者名/発表者名: 久木 久美子,濱野香里 植野洋志
  • 学会等名: 日本農芸化学会大会2011年度大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-03-27
• [学会発表] The participation of GABA in salty taste signaling and how the GABA synthesizing enzyme found in type III taste cells may be affected by food components (2010)
  • 著者名/発表者名: K.Hisaki, H.Ueno
  • 学会等名: The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
  • 発表場所: Honolulu, Hawaii
  • 年月日: 2010-12-17
• [学会発表] Vitamin B6-dependent enzyme, glutamate decarboxylase: A possible role in leucocyte and new development in taste (2010)
  • 著者名/発表者名: H.Ueno, S.Matsukawa, Y.Nakamura, Y.Yanagawa, K.Obata, M.Watanabe and Y.Otsuki
  • 学会等名: The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
  • 発表場所: Honolulu, Hawaii
  • 年月日: 2010-12-16
• [学会発表] Effect of food components on the salty taste signaling examined by taste sensation tests (2010)
  • 著者名/発表者名: K.Hisaki, M.Nakashima, K.Hamano and , H.Ueno
  • 学会等名: 8th International Symposium on Taste and Olfaction
  • 発表場所: Kyushu Univ., Maidashi
  • 年月日: 2010-11-06
• [学会発表] グルタミン酸デカルボキシラーゼGAD65・GAD67 のN 末端領域解析によるアイソフォームの機能解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田 瑶子,新森 温子,新田 陽子,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 2010 年度日本農芸化学会関西支部大会
  • 発表場所: 近大
  • 年月日: 2010-10-03
• [学会発表] GAD65・GAD67 N 末端領域の生化学的解析による機能解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田 瑶子,新森 温子,新田 陽子,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 酵素・補酵素研究会2010 年度研究会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 2010-09-11
• [学会発表] γ‐アミノ酪酸(GABA)合成酵素の活性に影響を及ぼす食品成分についての検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 濱野 香里,久木 久美子,伊藤 美奈,赤桐 里見,植野 洋志
  • 学会等名: 日本生物高分子学会大会
  • 発表場所: 姫路
  • 年月日: 2010-09-10
• [学会発表] GAD65・GAD67 のN末端領域解析による役割解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田 瑶子,新森 温子,新田 陽子,赤桐 里美,植野 洋志
  • 学会等名: 日本生物高分子学会大会
  • 発表場所: 姫路
  • 年月日: 2010-09-10
• [学会発表] グルタミン酸デカルボキシラーゼGAD65・67 のN 末端領域の機能解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田 瑶子,植野 洋志
  • 学会等名: 奈良女子大学・京都府立大学合同ゼミ
  • 発表場所: 京都府大
  • 年月日: 2010-09-01
• [図書] Amino acids in human nutrition and health (2011)
  • 著者名/発表者名: J.P.F. D'Mello, Ed
  • 総ページ数: 103-121
  • 出版者: CABI, London
• [図書] フードプロテオミクス-食品酵素の応用技術- (2011)
  • 著者名/発表者名: 井上 國世監修
  • 総ページ数: 174-183
  • 出版者: シーエムシー出版
• [図書] GABA 合成酵素グルタミン酸デカルボキシラーゼにみる隠れた機能:味覚での役割と応用 (2010)
  • 著者名/発表者名: 植野 洋志
  • 総ページ数: 136, 1-7
  • 出版者: Dojin News
• [備考] 新聞 植野 洋志(コメント),「濃い味」習慣 再考を,中日新聞,2012 年9 月4 日朝刊
• [備考] 新聞 植野 洋志,奈良ユニバーサロン ログ・イン 1000 文字講座,「減塩食品の開発に向けて<下>味覚はだませるか?」,毎日新聞,2012 年7 月18 日朝刊
• [備考] 新聞 植野 洋志,奈良ユニバーサロン ログ・イン 1000 文字講座,「減塩食品の開発に向けて<上>味覚について一言」.毎日新聞,2012 年7 月11 日朝刊
• [産業財産権] 塩味増強方法および塩味増強剤 (2011)
  • 発明者名: 植野 洋志
  • 権利者名: 奈良女子大学
  • 産業財産権番号: 特許4845067
  • 取得年月日: 2011-10-21