窒息しにくく、飲み込みやすい食べ物の工夫について検討するため、円柱ガラスリングに比重0.8~1.2になるように米飯を充填し、テクスチャー特性を測定した結果、比重の増加に伴い、テクスチャー特性の硬さは増加した。このことは食事の際に一気に米飯を口中に詰め込むことの危険性を示唆する結果となった。次に、窒息のリスクが高い餅の原料であるもち米を含む、アミロース含量を変化させた4種の米、もち米、高アミロース米、うるち米および低アミロース米を用いて、米飯試料を調製し、リングに充填(比重1.0)し、リングのあり・なしで、テクスチャーの変化を測定した。リングありなしにかかわらず、アミロース含量が増加すると、テクスチャー特性の硬さは増加したが、アミロース含量が高い米飯試料では、付着性と凝集性は低値を示した。しかし、リングありなしの値を比較したところ、いずれの米飯試料においても、リングありの方がテクスチャー特性の硬さと付着性は高値を示した。また、食塊についても検討を行ったところ、アミロース含量の影響が付着性において見られ、アミロース含量が食塊のべたつきにも寄与していることが明らかとなった。しかし、飲み込みやすさと関連する食塊の表面摩擦(摩擦係数)については、新規購入機器のため測定条件の検討を継続中であり、次年度において、若年者を対象とした飲み込みやすさとの関連性を検討する予定である。
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