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2011 年度 実績報告書

インバリアントNKT細胞新規ナチュラルリガンドの同定と機能性食品の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22300261
研究機関群馬大学

研究代表者

江本 正志  群馬大学, 保健学研究科, 教授 (70232981)

キーワードインバリアントNKT細胞 / 米糠 / スフィンゴ糖脂質 / リガンド
研究概要

前年度までに、米糠から抽出した粗スフィンゴ糖脂質画分を分画し、得られた画分の活性を生化学的に解析すると共に、iNKT細胞並びに各種免疫担当細胞に及ぼす影響を動物実験により解析した。
本年度は、米糠より分画したスフィンゴ糖脂質画分のインバリアントNKT細胞に及ぼす影響を、サイトカイン産生を指標として解析すると共に、種々の方法を用いて更に分離・精製した。その結果、米糠中に存在するスフィンゴ糖脂質は、これまでに報告されているインバリアントNKT細胞のリガンドと大きく性状を異にすることが明らかとなった。即ち、これまでに報告されているインバリアントNKT細胞のリガンド(例えば-ガラクトシルセラミド)はインバリアントNKT細胞のT細胞受容体に結合した後、多量のインターフェロン- とインターロイキン-4 をさせるが、米糠中に存在するスフィンゴ糖脂質は、インバリアントNKT細胞に結合しても、両サイトカインを産生させないことが明らかとなった。また、これまで米糠中には単一のスフィンゴ糖脂質しか存在していないと考えられていたが、申請者等の研究により、多種類のスフィンゴ糖脂質(側鎖が異なる等)の混在していることも明らかとなった。このことは、米糠中にこれまでに報告されているリガンドとは全く性状を異にする分子(スフィンゴ糖脂質:インバリアントNKT細胞のリガンド)が存在するだけでなく、生体内に及ぼす影響が全く異なっていることを示唆している。このように、本研究は米糠中にインバリアントNKT細胞の新規ナチュラルリガンドが存在することを強く示唆しており、これまで廃棄物として処理されていた米糠の新たな用途を見出しただけでなく、未知の分子が存在する可能性もあることから、食品科学の分野だけでなく、免疫学を初めとする他の分野にも大きく貢献するものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力者が腰椎変性側弯症と診断され手術を受けたが、術後の回復が思った以上に悪く、療養に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

今後は、活性の認められた画分から活性分子(インバリアントNKT細胞のリガンド)を精製・同定すると共に、インバリアントNKT細胞並びに各種免疫担当細胞に及ぼす影響を動物実験により解析すると共に、各種病態に及ぼす活性分子の有効性も検証する。

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公開日: 2014-07-24  

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