研究課題/領域番号 |
22300263
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
奥 恒行 長崎県立大学, 看護栄養学部, 名誉教授 (50010096)
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研究分担者 |
中村 禎子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 助教 (60382438)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 老化促進マウス / 難消化性オリゴ糖 / 食物繊維 / 腸内フローラ / SAMPマウス / 記憶・行動異常 / 骨代謝 |
研究概要 |
本研究目的は、老化促進モデルマウス(骨粗鬆症発症マウスSAMP6、記憶・行動異常マウスSAMP8)をコントロール(CON)飼料、難消化性オリゴ糖(FOS)飼料ならびに食物繊維(GM)飼料を用いて長期間飼育し、先天的に保有する疾病発症がどのような要因によって抑制されるかを明らかにすることである。給餌飼料組成の違いは腸内フローラの変化となって現れ、それによって腸内細菌代謝産物の質的量的変化が生じて宿主の代謝活動に変化が生まれ、生存が影響される。平成22、23年度には、SAMP6およびSAMP8計90匹をCON飼料、FOF飼料ならびにGM飼料を用いて各群15匹ずつに分けて43週間飼育した。SAMP6は、FOS群およびGM群のいずれも腸内フローラが良好になりCa代謝が改善することが明らかになった。SAMP8は、パッシブアボイダンス装置を用いて記憶・行動異常を観察し、腸内フローラと尿および血液の酸化ストレスマーカーを測定した結果、FOS群およびGM群は対照群に比べて腸内フローラが改善されて脳老化が抑制され、抗酸化作用が向上していることを明らかにした。平成24年度は、この結果を受けて脳機能に焦点をあて、SAMP8をCON飼料およびFOF飼料、正常老化マウスSAMR1をCON飼料で約40週飼育し、記憶・行動異常と腸内細菌と脳機能指標との関連を観察した。FOS摂取によってβ-アミロイドタンパク質蓄積は抑制されたが、カレコラミン濃度は変化しなかった。また、炎症性サイトカインは減少し、抗炎症性サイトカインは増加した。酸化ストレスマーカーであるBAP、d-ROMs、8-OHdGおよびIsoprastaneはいずれもFOS摂取によって改善された。脳組織におけるβ-アミロイドタンパク質蓄積の形態学的観察は現在進行中である。腸内フローラは老化に関わると共に、脳機能にも関与していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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