研究課題
平成24年8月より、代表者の二宮は埼玉大学教育学部の長期研修制度を利用しアメリカ・ユタ州にあるブリガムヤング大学に客員研究員として在籍し、アメリカ現地調査を進めた。ユタ州内で行われている算数・数学科の才能教育の実際を参観するとともに、ブリガムヤング大学における教員養成や、ユタ州における教員養成の実際を調査した。特に、平成25年3月に行われたユタ州数学教師教育協議会では、様々な先進的な事例を知るとともに、数学科の教師教育に特化した議論がなされていたことが大変印象的である。また、平成25年2月から3月には、本科研分担者2名がユタ州を訪れ、ブリガムヤング大学の研究者、並びにアメリカの数学教師と協同して、『よい授業』に関する分析会議(BJMEET)を行った。「よい授業」という視点は、数学科才能教育の中でも『数学の内容拡充(enrichment)』に関わる重要な事柄である。この会議では、日米の研究者がそれぞれ「よい数学の授業」と捉える授業のビデオを、日米双方の研究者が一堂に会して見ながら、両国の授業者・研究者による観点の違いなどを明らかにしつつ、両国に共通する「よい数学の授業」の要件、並びにそれぞれの国において顕著である「よい数学の授業」の要件を明らかにしている。日本の授業事例として、都内の国立大学附属学校における複数の授業を取り上げた。一方、アメリカの授業事例として、ユタ州内のチャータースクールでの授業事例を取り上げるとともに、アメリカ国内での「新しい数学科教材研究」において全米ベスト3に選ばれたTravis Lemon教諭を招聘し、Lemon教諭の授業を日米の観点から分析した。「授業の流れ」の重要性が明らかになるとともに、授業研究に代表される「教員研修」における授業観の違いが、『よい授業』を規定する大きな要因であることが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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