研究課題/領域番号 |
22300275
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
平田 大二 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸部長 (70132917)
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研究分担者 |
斎藤 靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館, その他, 館長 (00000133)
新井田 秀一 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (20228125)
山下 浩之 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任研究員 (60261195)
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (60416047)
笠間 友博 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任研究員 (70392991)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 地球環境学習 / 地球史 / 生命史 / 自然史博物館 / ボランティア / 友の会 / 教師 / データベース |
研究概要 |
1.地球史・生命史イベントの文献情報と実物標本の収集:ここ数年、地球史・生命史の研究は加速度的に発展している。地球環境学習プログラムの開発のためには、地球史・生命史イベント年表を再構築が不可欠となってきている。世界各地で明らかにされている地球史46億年の地球史・生命史に関する地球科学的な情報を専門書、学術雑誌等から収集するとともに、実物資料の収集については、北米産の原生代生命化石、中東オマーンのオフィオライト関連岩石類、日本の北上山地の古生代岩石類を収集した。 2.地球史・生命史データベースの再構築:地球史・生命史イベント年表をもとに,神奈川県立生命の星・地球博物館が所蔵する標本や画像などのデータベースの再構築を進めた。また、これらの資料を活用した学習資料の製作についても検討した。 3.地球史・生命史の認識度把握と、地球科学リテラシー育成:教師を目指す大学生を対象に地球史・生命史の認識度についてのアンケート調査を実施したところ、高校までに地球科学に関する授業を受ける機会が極めて少なく、地球史・生命史の認識度が低いことがあらためて把握できた。教師や博物館ボランティア、友の会会員等からの聞き取りでも同様であった。しかし、その一方で地球科学についての興味関心は高い。このことは、地球科学リテラシーの育成が望まれていることの証しといえる。斎藤は自然史博物館における標本の意義について、また自然史博物館におけるコミュニケーションの現状と課題について報告した。平田ほかは、近年日本で活発となっているジオパーク活動に関連して、地球科学的なリテラシーの育成について博物館の果たすべき役割について発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地球史学習プログラムの構築には、地球史46億年のなかでおきたイベントの証拠と情報の収集が不可欠である。これまでの3年間を通じて、予算範囲内での収集活動を進めることができている。また、地球史・生命史データベースの構築については、既存の資料の再確認を行うとともに、不足分の補完を進めている。なお、このデータベースの活用については、博物館内での講座での活用も試みる予定である。そして、地球史・生命史の認識度把握と地球科学リテラシー育成については、博物館利用者だけでなく大学生を含めた学校教育や、市民の生涯学習などの場面での活動も進めることができた。これらは、学習プログラムの構築に重要な示唆を与えることができる。以上のような理由で、現在までの達成度は、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、本研究計画の最終年度にあたるが、地球史・生命史イベントに関する情報と実物資料の収集、ならびに地球史・生命史データベースの構築は可能な範囲で継続する。また、国内外の自然史博物館における地球環境学習プログラム実践例についての情報収集も併せて行う。これらの情報と資料を活用して、年度の後半において学習プログラムの構築を行うが、年度の前半から生命の星・地球博物館において試行的な普及講座を行いながら、地球史・生命史の認識度把握と、地球科学リテラシー育成について推進する計画である。 なお、本研究テーマは本研究計画が終了しても継続して行うべきものと考えているので、学習プログラムの実施と検証をくり返し行っていくことを視野に入れている。
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