学習活動そのものに動機づけられ没入できる環境が、学習支援にとって重要であり、学習効果を高めることができるという指摘がなされている。本研究では、学びたい知識、明らかにしたい減少を学習者自身が決め、それらをシミュレーションを通して学習者自身で容易に試すことができる環境の構築を目指している。テーブルトップ上に複数の小型ロボットを導入し、物理世界と仮想世界を融合した新しい協調学習支援環境を提案することを目的として研究を進めてきた。具体的には、環境問題、都市計画等の学習、物理現象を題材とした理科学習、クリエイティブな実世界型コンテンツ制作支援等を他者と協調しながら容易に行える環境を実現することである。今年度は、学習者自身が容易に学習コンテンツを構築できる手法の提案とその評価を行った。指ジェスチャを用いた直感的なロボットプログラミング手法を開発し、プログラミング経験の少ないユーザが参加する実験を通して、容易に学習コンテンツ構築を行えるかどうかを検証した。特に、物理的なロボットと仮想的なアイテムの組み合わせによって生じるユーザインタフェース上の問題を明らかにするとともに、どのようなデザインが望ましいのかについて検討を行った。実験を通して得られたいくつかの課題等を踏まえ、提案システムの機能的な改良を進めた。これらの研究成果は、ヒューマンコンピュータインタラクションや学習支援関係の国内外の学会等で発表された。
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