研究概要 |
1.ARを用いたスケッチ学習支援環境の構築 平成22年度は,モチーフをCGで構築した仮想物体に替え,ARtoolkitを用いて,机上にマーカを置き,学習者がビデオシースルー型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を目に装着してマーカを見ると,マーカ上にモチーフがCG映像として重畳表示される仕組みを実現した.特に,モチーフの外接立方体の表示機能など,スケッチ学習を支援する機能を充実させた. 2.屋外用モーションキャプチャシステムを用いたスポーツ時の身体動作の分析 これまで,全身のモーションキャプチャシステムは,光学式が主に用いられてきた.これは,複数台のカメラで囲まれた狭い領域で,被験者が全身にマーカを装着して測定する方式である.この方式は,測定範囲が狭いため,野球のスウィング動作など,移動がほとんどない動作のみ計測が可能であった.このため,野外の広い範囲を動き回るスポーツの動作は,ビデオ撮影による一視点からの映像での分析でのみ行われてきており,自由に視点を選んでの分析は不可能であった.そこで,ワイヤレス・モーションキャプチャシステムIGS-190を使用する.これは,身体各部に慣性センサを合計18個装着し,各部の空間内での方向をリアルタイムに計測しPCにデータを送信できる装置である.この装置は,もともと,CG映画製作を目的として作成されたものであり,これまで,スポーツの動作解析にはあまり用いられてこなかった.そこで,これを適用するより,フィールドでのスポーツについて,熟練者と初心者の動作の違いを分析する、具体的には,バトミントン,バスケットボール,弓道のスポーツの動作の分析を行った.
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