研究概要 |
1.屋外用モーションキャプチャシステムを用いたスポーツの学習支援環境の構築 具体的には, (1)バスケットボールのシュートをドメインとしたアドバイス提示システム (2)バトミントンのスウィングフォームをドメインとした重心可視化システム を構築した. (1)では,蓄積した熟練者の身体動作と,学習者の身体動作を自動的に比較し,差分に応じてアドバイスを提供するような学習支援環境を構築した.また,3次元CGのボーンアニメーションを利用して,熟練者の動作と初心者の動作の違いが視覚的にわかるように工夫した. 詳細は,まず,初心者にシュートフォームを教えるためには,熟練者のシュートフォーム姿における身体各関節の角度を測定することが必要となってくる.そこで,熟練者と初心者のシュートフォームをウェアラブルなモーションキャプチャシステム(IGS-190)で取得し,身体各関節の回転角を比較分析する研究を行った.その結果,初心者は熟練者よりシュートフォームの安定性がなく,足や腕の伸展力を利用していないことが分かった.これ等のデータを基に初心者へ熟練者のシュートフォームを学習させるシステムの設計と構築を行った (2)では,学習者はまずモーションキャプチャシステムを装着して自身の動作データを取得し,それを本システムに読み込ませることで動作と身体重心およびその軌跡の3Dモデルを表示させることができる.それを予め取得しておいた経験者のデータと見比べて,自主的に学習してもらう仕様である 2.スケッチスキル学習支援環境の構築 平成22年度は,モチーフをCGで構築した仮想物体に替え,ARtoolkitを用いて,机上にマーカを置き,学習者がビデオシースルー型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を目に装着してマーカを見ると,マーカ上にモチーフがCG映像として重畳表示される仕組みを実現した.しかし,アドバイス機能は,貧弱であった.平成23年度は,学習者が描くスケッチ画の診断機能と,アドバイス機能を強化した. 3.料理スキル学習支援環境の構築 平成22年度は,りんごの皮むき時の包丁の使い方について,熟練者と初心者の手指動作や指先圧力の分析と比較を行った.平成23年度は,これらの結果も参考としながら,料理スキルを学習できる支援環境を構築した.
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