研究課題/領域番号 |
22300292
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
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研究分担者 |
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (70304764)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
安武 公一 広島大学, 社会科学研究科, 講師 (80263664)
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キーワード | 学習コミュニティ / 複雑ネットワーク / 大学間連携 / SNS / 因子分析 / 対応分析 / Learning Analytics |
研究概要 |
本年度の計画は (1)テキストマイニングによるダイナミクスの理解 (2)複合手法による分析 (3)学習コミュニティ形成ダイナミクスに関するシンポジウムの開催 であった。(1)と(2)の成果に関しては、福井県内の大学連携(Fレックス)で利用しているSNSのログを分析した。SNS上のコミュニティ(友達リンク)が成長していく過程で、同じグループに所属するメンバーのブログのテキストマイニングを行い、さらに因子分析や対応分析を実施することにより、あるグループのメンバーは同じ言葉をつかうところにとどまり、また別のグループでは使う言葉が時間とともに変化する傾向があることが分かった。また、ネットワーク分析に関しても時間経過とともに、ネットワーク構造や指標がコミュニティによりどう変化するかを調べた。これらの成果は、国内の研究会、海外の国際会議等で発表を行った。 また(3)に関しては、2011年12月2日に福井駅前のアオッサにて「学習科学におけるLearning Analyticsアプローチ~学習履歴データから学習モデルを構築する~」を開催し、全国から50名の研究者が参加し、我々の研究グループのメンバーが成果の発表を行い、活発な議論が交わされた。 Learning Analyticsは、昨年から欧米で急激に発展してきた分野であり、我々の研究方向と同じ方向を向いて進んでいる。今後、日本でも必ず発展する分野と考えられるので、我々の研究はその先導的な役割を果たしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していたことは概ね実施した。また、国内外の発表も積極的に行い、国際会議における発表も3回実施した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はSNSだけでなく、LMSやeポートフォリオのログとクロスした分析を考えていたが、SNSの利用者がLMSやeポートフォリオを利用しているとも限らないので、その連携は難しいことがわかった。その代わりに、ほぼ全員に実施する「学生意識調査」の結果を利用して、これとSNS、これとLMSやeポートフォリオとのクロス分析を行い、SNSと授業外の活動の関係、および授業外の活動と学習効果の関係等を分析していく予定である。
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