研究課題/領域番号 |
22300299
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
小谷 克則 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30440994)
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研究分担者 |
吉見 毅彦 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (50368031)
井佐原 均 豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 教授 (20358881)
南條 浩輝 龍谷大学, 理工学部, 助教 (50388162)
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キーワード | 教授学習支援システム / 学習者コーパス / 読解能力自動評価法 |
研究概要 |
本研究は、応募者らがこれまでに行ってきた第二言語学習者コーパスの構築に関する研究と、第二言語学習者の運用能力をコンピュータにより自動的に評価する手法に関する研究とを発展させ、第二言語教育と第二言語習得研究に寄与することを企図したものである。昨年度の研究は、第二言語学習者コーパスの構築、および自動評価法の開発を行った。本年度の研究は、学習者読解コーパス、読解自動評価法、作文自動評価法の研究を行った。 学習者コーパスにおける研究では、英語の運用として、これまで開発してきた読解だけでなく、聴解、作文、発話といったいわゆる四技能に即した運用データを用いて英語学習者の総合的な運用能力を反映するコーパスを開発した。具体的には、英語学習者が運用した英語データに対して、理解度、心理的な言語処理に要したデータとその言語処理の難易度を示すデータを付与した。また、本コーパスの妥当性を検証として、第二言語学習者の言語能力を推定する自動評価法の検討を行った。具体的には、理解度、言語処理時間データ、言語処理難易度データに基づき適切に英語学習者の英語運用能力を示すことを確認した。 読解自動評価法、および作文自動評価法の研究においては、本年度開発したコーパスデータの検証実験結果に基づき、統計的手法により読解能力、および作文能力の評価法の検証を行った。具体的には、コーパスデータにおいて読解能力、および作文能力の推定に有効なデータ項目の確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である第二言語学習者コーパスとして、言語産出と言語理解の両面のデータを収集するコーパスを開発した。また、本コーパスデータに基づいて、読解能力と作文能力の評価に有効なデータが確認できた。以上の理由から、本研究の目的の達成度について、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本コーパスの信頼性・妥当性をさらに検証し、本コーパスに残された課題を検討する。特に、コーパスデータが英語学習者の習熟度などを自動判定するなど定量的な分析を行う際の言語資源として有用であるか、また、学習者の特徴や習熟度の遷移を調べるなど定性的な分析を行う際の言語資源として有用であるかと言った観点から検証を行う。また、先述の本コーパスの信頼性・妥当性の検証結果と共に、本コーパスの公開を行う。
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