研究課題
当初の予定であった、第1次調査の調査報告書は、23年度の後半に新彊文物局に提出した。この報告者の原稿は日本語であるが、中国側からは中国人研究者による中国語原稿が届けられた。そこで日本語原稿は中国語に翻訳、また中国語原稿は日本語に翻訳の作業を進めた。両言語による印刷公表は24年度に行う予定である。またこれより先に、ウルムチ市で研究交流会を開催し、23年度までの研究成果の確認と24年度研究計画について協議、立案をおこなった。スウェーデンの探検家S.ヘディンが1930年代に行った調査時の記録写真のデジタル・アーカイブ化のためにヘディン財団と協議を行い、事業を継続しておこなった。これと並行して、ヘディンの調査と同じ場所を訪れ、ここ80年間の環境の変化を明らかにするための調査の予備調査を行った。コルラ市付近では、孔雀河の流路はヘディンの調査時とは大きく変化しており、場所の特定が簡単ではないことがわかった。ただし孔雀河の流路ははっきりと残存しており時間をかけて調査すれば場所の特定は可能であると判断された。出土ミイラのピロリ菌の分析は、ミイラが重要文物であり、調査にあたっては別途文物局への許可申請が必要であることが明らかとなったため、23年度の調査は24年度に延期することとし、申請に万全を期すこととした。また、ピロリ菌のDNA分析を進めるため、菌ゲノムの増幅領域を決定する予備的な研究をおこなった。さらに、DNA分析を行う研究機関との協議も開始した。アフリカ原産の穀物である「テフ」であることが疑われる雑穀種子の種の同定作業を開始した。
2: おおむね順調に進展している
申請上の問題に由来するピロリ菌の分析の遅れなどはあったが、テフの分析の進行など予期しなかった成果もあり、全体としてはおおむね達成できたと考える。
ピロリ菌の分析は人の集団の移動を明らかにするうえで極めて重要であるので、許可獲得には万全を期し、成果を挙げたい。印刷・公開を確実に行い、次につなげたい。
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