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2011 年度 実績報告書

参加型GISの理論と応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22300315
研究機関首都大学東京

研究代表者

若林 芳樹  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70191723)

研究分担者 岡本 耕平  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
今井 修  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (80401305)
山下 潤  九州大学, 比較社会文化研究科, 准教授 (90284562)
大西 宏治  富山大学, 人文学部, 准教授 (10324443)
西村 雄一郎  奈良女子大学, 文学部, 准教授 (90390707)
キーワードGIS / 市民参加 / 参加型開発 / 地理情報科学 / 空間的思考
研究概要

海外での参加型GISの情報収集のために,イギリス,アメリカ,カナダの研究者からヒアリングを行った.また,アメリカ地理学会(AAG)年次大会に参加して,PPGISの研究動向について情報収集を行い,GeowebやVGI(Volunteered Geographic Information)への関心が高まっていることがわかった.
国内におけるPPISの事例については,都道府県を対象にアンケートを計画したが,東日本大震災で東北日本での実施が困難になったため,再調査を行う予定である.また農山村での事例として,島根県飯南町谷地区を対象にした地域づくりの場面でのGISの活用の方法を検討した.住民とともに地域資源発見マップ作成のワークショップを開催し,カントリーウォークを実施した結果,PPGISが地域づくりの方法として一定の効果があることが確認できたが,今後は継続的活動につなげていくかが課題である.
防災分野での応用については,東日本大震災の際に有効性が高まった地理情報技術を活用したソーシャルメディアの利用法について検討を加えた.また,災害時の外国人向け防災情報提供について東日本大震災の被災地で調査を行ったほか,インターネットから得られる国勢調査の小地域統計を使って市民が自ら地域の地理的状況を理解するためのマニュアルを開発中である.
防犯については高岡市と札幌市で通学路の安全マップ作成を行い,福祉については子育て支援マップの事例を調査した.
途上国開発への応用については,開発論の分野における「参加型GIS」研究のレビューをおこなった.また,参加型GISの実践例であるコロンビアのサンアンドレス諸島から漁業者を招へいし,同様の漁場をもつ沖縄島の各漁協を訪問して「参加」や漁場運営に関する状況の差異を調査し,これを踏まえてワークショップでサンアンドレス諸島における「参加型沿岸開発」の問題点を議論した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東日本大震災により,東北日本での調査が困難になり,年度の前半は予算の一部が削減されたこともあって,計画の一部変更を余儀なくされたが.最終的には当初の目的をほぼ達成できる見通しがたった.

今後の研究の推進方策

東日本大震災の発生により,災害への関心が社会的に高まっている現状をふまえて,防災への応用に重点をおいた調査研究を行う予定である.
日本での実践的な事例については,島根県飯南町だけでなく,石川県七尾市,岡山県西粟倉村,東京都豊島区などでも調査を計画しており,それらから得られた知見に基づいてPPGISの方法論と課題を整理したい.

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2012 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ハザードマップをもとにした災害時の避難行動2012

    • 著者名/発表者名
      大西宏治
    • 雑誌名

      平成23年度地域子育て支援拠点職員研修養成講座・スキルアップ講座報告書

      ページ: 10-13

  • [雑誌論文] 地方自治体でのPGISの継続的な活用に関する一考察-イギリスを事例として-2011

    • 著者名/発表者名
      山下潤
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 20 ページ: B-5-2:1-4

  • [雑誌論文] 地域と行政をつなぐGIS~安心・安全なまちづくりへのコンサルティング~2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺美紀・山本尉太・黒川史子・今井修
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 20 ページ: B-5-4:1-4

  • [雑誌論文] 富山市を舞台とした人文地理学での社会調査教育2011

    • 著者名/発表者名
      大西宏治
    • 雑誌名

      社会と調査

      巻: 7 ページ: 96-100

  • [雑誌論文] 東日本大震災/ソーシャルメディアと地理学2010

    • 著者名/発表者名
      西村雄一郎
    • 雑誌名

      GIS NEXT

      巻: 36 ページ: 71

  • [学会発表] 東日本大震災被災地における外国籍住民の分布と支援活動2012

    • 著者名/発表者名
      岡本耕平8)・森田匡俊・谷謙二・佐藤久美
    • 学会等名
      2012年日本地理学会春季学術大会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] 島根県飯南町谷自治振興会におけるGISを活用した地域づくり手法の検討2012

    • 著者名/発表者名
      今井 修
    • 学会等名
      2012年日本地理学会春季学術大会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] The Emergence of Neogeographers in the Great East Japan Earthquake 2011 : Crisis Mapping Project Using Free and Open Source Software for Geospatial2012

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Nishimura, Toshikazu Seto
    • 学会等名
      AAG Annual Meeting 2012
    • 発表場所
      New York City
    • 年月日
      2012-02-26
  • [学会発表] 地方自治体でのPGISの継続的な活用に関する一考察-イギリスを事例として-2011

    • 著者名/発表者名
      山下 潤
    • 学会等名
      第20回地理情報システム学会学術研究発表大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-10-16
  • [学会発表] ラオス首都近郊農村におけるGPS・GISを活用した生活行動調査・時間地理学的分析の方法について2011

    • 著者名/発表者名
      西村雄一郎
    • 学会等名
      第20回地理情報システム学会学術研究発表大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-10-16
  • [学会発表] 地図を活用した防災教育の有効性2011

    • 著者名/発表者名
      大西宏治
    • 学会等名
      日本地理教育学会シンポジウム小中高大一貫で再構築する新しい地理教育実践
    • 発表場所
      日本女子大学目白キャンパス
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 子どもの環境地図作成を通じた地図作成技能の形成2011

    • 著者名/発表者名
      大西宏治
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2011年度大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2011-05-25
  • [学会発表] Children's Learning Disaster from Ise Bay Disaster through Map Making Activity2011

    • 著者名/発表者名
      Koji OHNISHI
    • 学会等名
      AAG Annual Meeting 2011
    • 発表場所
      Seattle
    • 年月日
      2011-04-13
  • [備考]

    • URL

      http://www.pgisj.com/

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公開日: 2013-06-26  

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