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2012 年度 実績報告書

紡錘体形成を標的としたがん治療分子標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22300321
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

八尾 良司  公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 主任研究員 (80291095)

研究分担者 長崎 光一  公益財団法人がん研究会, ゲノムセンター, 研究員 (90250208)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード紡錘体 / 微小管 / 細胞分裂 / がん治療分子標的
研究概要

がん細胞に特異的な細胞分裂機構を同定するために、紡錘体や中心体等の制御に関わる141個の遺伝子について、ヒトのがん組織における発現解析を行なった。その結果、がん組織で二倍以上の発現亢進が見られた遺伝子のなかで、7種すべてのがん組織で亢進していた遺伝子は9個、6種のがんでの亢進が10個、5種のがんでの亢進が5個であった。
Transforming acidic coiled-coil 3 (TACC3)は、上記の発現解析において、大腸がんと卵巣がんを含む6種のがん組織で過剰発現していた。また、p53欠損マウスに自然発症する胸腺リンパ腫において遺伝子を欠損させると腫瘍が退縮することが明らかになった。さらに、家族性大腸腺腫症(FAP)のモデルマウスを用いて検討しところ、顕著な腫瘍抑制効果とそれに伴う延命効果が認められた。卵巣がん由来の培養細胞を用いたライブイメージングでは、Tacc3の阻害により中心体微小管が選択的に阻害され、多極紡錘体が生じることが明らかになった。これらの結果は、Tacc3の阻害による紡錘体形成の阻害機構は、既存の微小管阻害剤とは異なる事を示しており、新たながん治療標的分子として期待される。
本研究では、上記のがん組織における発現解析により同定された遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスの作製を進めた。それらの中には、ホモ接合体が正常に発生し、かつ生殖能力も有し、正常組織では明らかな異常を示さないノックアウトマウスが含まれていた。さらにがんモデルマウスとの交配によりがん組織で発現が亢進していることも確認され、ヒトがん組織での遺伝子発現を再現していた。これらの結果は、本研究課題で作製された様々なノックアウトマウスが、個体レベルでのがん研究に極めて有用であることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] TACC3とTOGpは、紡錘体形成において時間的・空間的に異なる機能をもつ2012

    • 著者名/発表者名
      八尾良司、矢守隆夫、野田哲生
    • 学会等名
      第71回日本癌学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] がん細胞紡錘体形成におけるTACC3の機能とがん分子治療標的への応用2012

    • 著者名/発表者名
      八尾良司、矢守隆夫
    • 学会等名
      第16回日本がん分子標的治療学会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      20120727-20120729
  • [産業財産権] TACC3を標的とする小化合物2012

    • 発明者名
      八尾良司、長田裕之、近藤恭光
    • 権利者名
      八尾良司、長田裕之、近藤恭光
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-104997
    • 出願年月日
      2012-05-02

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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