グリオーマのマウス頭蓋内播種モデルを作製し、チロシンリン酸化蛋白質を精製した結果SKAP2を得た。当初の予想に反し、SKAP2は神経膠腫ではアクチン重合を抑制し、細胞膜を安定化させる事で細胞の浸潤をむしろ抑制する機能を明らかにした。一方、マクロファージ等ではSKAP2は細胞浸潤の促進作用がみられ、間質細胞を活性化する事で炎症性癌の浸潤促進に寄与している事が示唆された。また、細胞集団移動を規定する基本原理である"細胞移動の接触阻止"に関して、転移抑制遺伝子であるNm23H1によるその制御機構を明らかにした。
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