p53転写因子複合体によるクロマチン機能調節とiPSリプログラム制御機構の解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22300325
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 腫瘍生物学
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 田中 知明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50447299)
• 研究分担者: 龍野 一郎 東邦大学, 医療センター佐倉病院, 教授 (80282490)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 転写因子 / 癌抑制遺伝子 / iPS / クロマチン / エピジェネティクス

研究概要

山中4因子と呼ばれる特定の転写因子の体細胞への導入により、「多能性」を誘導できるようになった一方で、がん研究分野では「がん幹細胞仮説」が提唱され、新たな没療標的として期待されている。がん幹細胞没療標的を目指して、転写因子p53と核初期化に重要な転写因子(Oct3/4・Sox2・KLF4)に焦点を当て、分子間架橋技術開発やゲノムワイドの連動解析を通じて、癌のエピジェネティック没療の創薬基盤の開発につなげる基盤研究を実施した。実際、トランスクリプトーム解析から癌・iPS特異的なnon-codingRNAやlincRNAだけでなく、幹細胞性維持に重要なGLS2の同定に成功し、それらの抗腫瘍効果や転移抑制能を明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Functionally distinct Gata3/Chd4 complexes coordinately establish Th2cell identity (2013)
  • 著者名/発表者名: Hosokawa H, Tanaka T, Suzuki Y, Iwamura C, Ohkubo S, Endoh K, Kato M, Endo Y, Onodera A, Tumes J D, Kanai A, Sugano S, Nakayama T.
  • 雑誌名: Proc Natl Acad Sci USA. 巻: 12 ページ: 4691-4696
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lifestyle and osteoporosis in middle-aged and elderly women: Chiba bone survey (2013)
  • 著者名/発表者名: Tatsuno I, Terano T, Nakamura M, Suzuki K, Kubota K, Yamaguchi J, Yoshida T, Suzuki S, Tanaka T, Shozu M.
  • 雑誌名: Endocr J.
  • 査読あり
• [雑誌論文] High predictive accuracy of Aldosteronoma Resolution Score in Japanese patients with aldosterone-producing adenoma. (2012)
  • 著者名/発表者名: Utsumi T, Kawamura K, Imamoto T,Kamiya N, Komiya A, Suzuki S, Nagano H, Tanaka T, Nihei N, Naya Y, Suzuki H, Tatsuno I, Ichikawa T.
  • 雑誌名: Surgery
  • 査読あり
• [雑誌論文] Glycemic control and bone metabolism in postmenopausal women with type 2 diabetes mellitus (2012)
  • 著者名/発表者名: Terano T, Suzuki S, YoshidaT, Nagano H, Hashimoto N, Mayama T, Koide H, Suyama K, Tanaka T, Yamamoto K, Tatsuno I.
  • 雑誌名: Diabetology International
  • 査読あり
• [雑誌論文] 糖尿病・代謝・内分泌による細胞内代謝調節 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中知明
  • 雑誌名: Annual Review ページ: 53
• [学会発表] p53はGLS2によるグルタミン代謝制御を介した抗酸化作用とエネルギー調節により腫瘍抑制作用を発揮する (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木佐和子、田中知明
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2012-12-13
• [学会発表] (ポスター口演)p53による転写抑制遺伝子群の探索的解析と癌における予後の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中山哲俊、鈴木佐和子、永野秀和、橋本直子、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2012-12-13
• [学会発表] (ポスター口演)p53下流遺伝子DPYSL4の癌抑制機構と細胞内エネルギー調節作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 永野秀和、鈴木佐和子、中山哲俊、橋本直子、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、龍野一郎、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2012-12-13
• [学会発表] (ポスター口演)脂肪細胞における転写因子p53による新たな代謝調節分子の探索的解析とその生活習慣病における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐久間一基、鈴木佐和子、永野秀和、橋本直子、中山哲俊、樋口誠一郎、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2012-12-13
• [学会発表] (ポスター口演)p53クロマチン複合体に含まれるNuclear body protein SP110と細胞老化誘導・癌抑制機能 (2012)
  • 著者名/発表者名: 橋本直子、田中知明
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2012-12-12
• [学会発表] p53とGLS2のミトコンドリア制御を介した生活習慣病および癌における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木佐和子、永野秀和、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、龍野一郎、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 北海道
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] 癌細胞におけるCOP9signalosomeによるp53およびp73のリン酸化と安定化の制御機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 橋本直子、滝口朋子、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 北海道
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] RNA-sequencing解析を用いたp53下流遺伝子DPYSL4の同定とそのエネルギー代謝調節機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 永野秀和、鈴木佐和子、中山哲俊、橋本直子、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、龍野一郎、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 北海道
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] 癌抑制遺伝子産物p53による細胞内代謝制御機構～がん、エネルギー代謝 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中知明
  • 学会等名: 肝細胞性の接点の新展開～第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 北海道
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] RANKL依存性破骨細胞分化におけるゲノムワイドでの転写産物解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 吉田知彦、鈴木穣、菅野純夫、龍野一郎、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-21
• [学会発表] AIMAH症例の臨床内分泌学的特徴とRNAsequenceを用いたゲノムワイドの遺伝子発現解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木佐和子、龍野一郎、鈴木穣、菅野純夫、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-20
• [学会発表] サブクリニカルクッシング症候群(SCS)101症例の手術の有無による合併症への影響に関する検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 陶山佳子、樋口誠一郎、佐久間一基、永野秀和、今田映美、鈴木佐和子、吉田知彦、川村幸没、今本敬、市川智彦、龍野一郎、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-20
• [学会発表] ゲノムワイド解析に用いた細胞老化におけるp53による老化形質制御機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 橋本直子、大石賢吾、龍野一郎、鈴木穣、菅野純夫、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-20
• [学会発表] p53下流遺伝子DPYSL4のエネルギー代謝調節作用と癌抑制機能 (2012)
  • 著者名/発表者名: 永野秀和、鈴木佐和子、鈴木穣、菅野純夫、北川光洋、曽我朋義、横手幸太郎、田中知明
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-20
• [学会発表] GLS2を介したp53によるiPS/ES幹細胞の機能調整から癌・生活習慣病の基盤病態にかかわるエネルギー産生とROS制御機構の解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木佐和子, 他
  • 学会等名: 第85回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-04-19