研究課題/領域番号 |
22300333
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
上田 龍三 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20142169)
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研究分担者 |
石田 高司 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80405183)
鈴木 進 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70518422)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | CCR4 / モガムリズマブ / Treg / CTL / ATL / NOGマウス |
研究概要 |
成人T細胞白血病 (ATL)/NOD/Shi-scid, IL-2Rγnull(NOG)モデルマウスを用いて自己Tax特異的細胞傷害性T細胞(autologous Tax-CTL)による治療実験を行った。3例のATL患者末梢血単核球から、CD4抗体磁気ビーズにより単離したATL細胞を、NOGマウスに移入し、同一患者より、ex vivo にて調製したTax-CTLを輸注したところ、1) ATL病巣へのCD8陽性T細胞の浸潤、2) 肝臓、脾臓、及び末梢血中のATL細胞の著減、3) 末梢血中IL-2R濃度の著しい低下、4) 生存期間の著しい延長が観察された。こうのように、我々は、今回、自己の系で抗原特異的CTLを用いた、がん治療実験に成功した。当初、計画していた固形がんでのモデル実験とはならなかったが、これに向けた基盤技術の蓄積となった。一方で、ヒト型抗CCR4モノクローナル抗体/モガムリズマブを投与されたATL患者において、ATL細胞の消失に加えて正常制御性T細胞(Treg)が著減すること、さらにTax-CTLの回復が見られることが明らかとなっている。このことは、モガムリズマブが患者中ATL細胞、及び正常Tregを減少させることにより免疫抑制状態を解除し、特異的免疫の活性化を引き起こしたことを示唆している。固形がん患者においても、モガムリズマブによるTreg除去により、腫瘍特異的免疫活性化につながることが想定される、ただ、直接的な証明は困難であり、マウスのモデル実験が重要と考えられる。今後、固形がんにおいても上記ATLモデルマウスと同様の、システムを構築し、モガムリズマブによるTreg除去がもたらす腫瘍免疫の亢進効果について検討する。本研究の継続により、モガムリズマブの固形がんに対する治療効果のみならず、免疫抑制解除によるがん治療研究のあらたな方法を提供することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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