研究課題/領域番号 |
22300345
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 匡子 山形大学, 医学系研究科, 教授 (20271934)
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研究分担者 |
吉岡 孝志 山形大学, 医学部, 教授 (90271981)
丹治 和世 山形大学, 医学系研究科, 准教授 (20512619)
斎藤 尚宏 山形大学, 医学系研究科, 助教 (20534168)
川勝 忍 山形大学, 医学部, 准教授 (00211178)
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キーワード | 化学療法 / 高次脳機能 / 認知機能 |
研究概要 |
今年度は、昨年度構築した化学療法による認知機能の変化を見るのに最適な検査バッテリー(MoCA-J,JART,符号問題、語列挙、パーソナルコンピューターを用いたCogStateの電子迷路課題と視覚性連合記憶課題、自覚的認知機能や不安の質問紙票であるFACT-CogとHAD-J)を用いて本格的に患者の評価を進めた。対象としては子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、悪性黒色腫の患者で、研究への参加の同意が得られた方が含まれた。 化学療法前の評価では、認知機能の低下が疑われる患者、不安・うつがやや高めな患者が認められ、主治医と連携をとりながら臨床上の必要に応じて適切な対応を行った。高齢者が含まれる悪性黒色腫においては、化学療法開始前の評価において、認知症や無症候性脳梗塞などが初めて診断され、除外せざるを得ない症例が存在した。それ以外の患者で治療を要するようなうつ状態や特定の認知機能低下は認められなかった。 また、化学療法終了後の評価を行い得た患者において、治療前に比べ明らかな認知機能の変化を認めた患者はこれまでのところいなかった。注意、記憶、前頭葉機能を含む認知機能面、自覚的な認知機能や不安の各評価項目について検討した結果、明らかな低下はないと考えられた。 来年度も各診療科との連携を密に保って引き続き症例を積み重ね、化学療法終了後1年の経過も含めて研究を続けていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化学療法対象患者の紹介がやや不安定であったことと、合併症などにより除外せざるを得ない患者が予想より多かったことなどにより、目標の症例数に達していないため。
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今後の研究の推進方策 |
各診療科との連携をさらに緊密にして、対象者のさらなる増加に努める。また、これまで検査したデータをまとめ、被験者の特徴などを検討する。
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