研究課題/領域番号 |
22300345
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 匡子 山形大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20271934)
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研究分担者 |
吉岡 孝志 山形大学, 医学部, 教授 (90271981)
村上 正泰 山形大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00577760)
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 化学療法 / 高次脳機能障害 / がん / 認知機能 |
研究実績の概要 |
本研究はがんの化学療法による注意集中力の低下、作業記憶の低下などの高次脳機能障害(chemobrain)について研究を進めてきた。今年度は、まず、縦断的研究のまとめを行った。縦断的研究では子宮体がん、頸がん、卵巣がんなどの婦人科系のがん、悪性黒色腫が対象となった。化学療法前および化学療法終了後の神経心理学的検査結果、自覚される認知機能および社会生活上への影響を検討した。その結果、これまで解析が終了した対象の中では、化学療法後に明らかな認知機能障害が出現し、全身状態や社会的状況など化学療法以外の要因では説明できないと考えられる例は認められなかった。対象となるがんが多様であり、化学療法終了後の状態にも個体差が大きかったことが、認知機能の変化の検討を難しくする要因のひとつと考えられた。 そこで、これまでchemobrainの報告がもっとも多い乳がん患者を対象にして、横断的研究を追加した。初発乳がん患者33名(平均年齢54.6歳)に対して、自覚的な認知機能の変化およびそれによる生活の質の変化についての質問紙票調査および神経心理学的検査を施行した。対象は抗がん剤治療群19名、非抗がん剤治療群14名に分けられ、両群の年齢に有意差はなかった。自覚的、他覚的認知機能に関して両群を比較したところ、いずれも有意な群間差を認めなかった。ただし、各個人で見ると、認知機能の変化に戸惑っている患者もおり、さらに検討が必要と考えられた。また、質問紙票でみる自覚的な認知機能変化の程度と、神経心理学的検査の結果は必ずしも関連しないことが明らかになった。 さらに、有職者のがん患者260名の社会生活に対する疫学的調査を行った。その結果、75.8%が復職していたが、がんの重症度が高い患者、非正規雇用者、高齢者、女性は復職率が低いことが分かり、仕事に関しては高次脳機能障害以外の影響も大きいと考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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