研究課題/領域番号 |
22310002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 光次 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (40283452)
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研究分担者 |
齊藤 宏明 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所, 生態系動態グループ長 (30371793)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 親潮 / 植物プランクトン / 春季ブルーム / 透明細胞外重合体粒子 / 珪藻 |
研究概要 |
春季親潮域でブルームを形成する珪藻種Thalassiosira nordenskioeldiiの光合成特性、透明細胞外重合体粒子(以下、TEP)生産速度およびTEP前駆物質である溶存態有機炭素(以下、DOC)の生産速度を、40日間の室内培養実験を通して、評価した。使用したT. nordenskioeldii株は、2011年春季の親潮域から単離したものであり、実験前に抗生物質を用いて、無菌化した。f/2培地、水温5℃、100 umol photons m-2 s-1の環境下において、同株は実験開始から28日目まで対数的に増殖し、その後、定常期が確認された。培地中のTEP濃度とDOC濃度は、実験開始後、指数関数的に増加し、両者に高い相関関係が見られたことから、TEPは同株から生産されたDOCに由来していたことが明かになった。13Cトレーサー法を用いた培養実験の結果において、同株の対数増殖期における粒子態有機炭素(POC)生産速度とDOC生産速度は、定常期のそれらより、有意に高かった。また、対数増殖期における同株の細胞当たりのTEP生産速度は、定常期におけるそれと比べて、約8倍高かった。これらのことから、春季親潮域のT. nordenskioeldiiは、ブルーム発達期において、TEP前駆物質をより多く産生し、海水中のTEP濃度を高めていたことが推察された。TEPは、海洋炭素循環における生物ポンプ効率を決める上で鍵となる「海水中の沈降粒子を凝集させるための接着剤」として注目されており、本研究からTEP生産機構を解明する上での重要な知見を得ることができた。また、研究代表者の研究室の大学院生が、平成24年度岩手県三陸海域研究論文知事表彰事業において、「春季親潮珪藻ブルームにおける透明細胞外重合体粒子(TEP)分布の特徴」で岩手県知事賞(学生の部)を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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