亜硝酸は(HONO)はOHラジカルのソースであるとともに室内における汚染物質である。HONOは反応性が高い不安定物質であり、新たなHONOの高感度・高精度計測手法の開発が望まれている。本研究では、中赤外域でのキャビティリングダウン吸収分光法(CRDS)および紫外域でのパルス型差分吸収分光法(DOAS)をこれまで環境動態把握が困難であったHONOの新しい計測技術として確立する。CRDSについては、中赤外域の吸収を用いた場合のHONOの検出下限と吸収断面積を明らかにした。一方、DOASについては、システムの改良等により検出下限の向上を図った。両手法ともに、大気濃度レベルのHONOの観測が可能である結果を得た。本研究においてはHONOの合成法についても検討を行い、純度の高いHONO合成法を確立した。
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