研究課題/領域番号 |
22310011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉村 和久 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80112291)
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研究分担者 |
杉原 真司 九州大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10253402)
岡本 透 独立行政法人森林総合研究所, 木曽試験地, 主任研究員 (40353627)
山田 努 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50321972)
栗崎 弘輔 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70507839)
松田 博貴 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (80274687)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 鍾乳石 / 古環境情報抽出 / 絶対年代(蛍光年縞、U-Th法) / 植生変遷 / 酸性雨 / 大規模津波 / 微量成分 / 安定同位体比 |
研究概要 |
蛍光縞年縞の計測による絶対年代計測と、炭酸塩の炭素、酸素安定同位体比、微量成分(Mg、SO4)濃度測定結果を用い、次のような情報を得ることができた。 1)植生変遷:年縞幅に相当する成長速度の変動および石筍の同位体記録と気象庁による気象観測データや地域の飢饉記録、さらに土壌に記録された植生変化とを比較し、石筍に記録された古環境情報を明らかにできた(岩手県内間木洞).同様に,森林が草地や耕地などへの変遷の時期を明らかにできた(長崎県七釜鍾乳洞、沖縄本島全域、南大東島)。植生に影響を及ぼすような開発は基本的には江戸期前後から始まることが分かった。また、それらは、古絵図、古文書を含めた考古資料からの植生情報と一致した。 2)酸性雨:山口県秋吉台のスカルン鉱床長登銅山において製錬に用いた銅鉱石が硫化鉱に変わったのは1400年以降であった。秋吉台で、近年の酸性雨以外に酸性雨が記録されており、酸性雨で森林が衰退したことも明らかになった。また、鉛濃度およびその同位体比も、製錬の記録を留めていた。 3)大規模津波:3.11大規模津波の痕跡を岩手県気仙沼湾奥神明崎の洞窟群で調査を行うとともに、沖縄県石垣島白保竿根田原洞穴の石筍が1771年4月24日の「明和の大津波」を記録していることを明らかにした。 4)U-Th法による絶対年代測定法の開発:改良したα線スペクトロメトリーとICP-MSを組み合わせることで、信頼性と簡便性をもつ方法をほぼ完成できた。 5)2013年3月に秋吉台科学博物館において、研究集会を開くとともに、美祢市民を対象とした公開講演会を開催した。概要は山口新聞で紹介された。また、本研究費で得られた成果は、月刊地球において特集号として公表予定である。さらに、秋吉台長登銅山における製錬の歴史に関しては、9月に開催される第8回国際鉱山史学会において講演を行うことが決まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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