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2011 年度 実績報告書

北極海底の大規模氷床削剥痕の形成年代決定とグローバルな気候変動との関連性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22310014
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

内田 昌男  独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (50344289)

キーワード北極海 / 古気候 / 海洋循環 / 生物生産
研究概要

本研究では、北極海の海洋循環、生物生産、物質循環への温暖化影響について、過去の温暖期における大陸氷床、海氷の融解、周辺河川からの淡水供給による塩分変動、水温変動を高時間精度で復元し、近未来北極圏温暖化による環境変動予測のための知見の取得をめざす。
この目的のため、最新の古海洋復元プロキシー(過去の環境を復元するための代替指標)を駆使し、古海洋データの空白域である北極海において、現間氷期(過去1万年間の完新世)よりも一つ前の間氷期であり,現在よりも日射量が多く、温暖であった最終間氷期(12万5千年前、気温にして約2-4℃現在よりも高いと言われている、別名、スーパー間氷期とも呼ばれる)の気候変動記録を定量的に復元することを目的とする。北極海における近過去(ここでは、最終間氷期以降)における詳細な海洋変動に関する知見は大変乏しい。これまでチャクチ海陸棚斜面からノースウインド海嶺に至る水深300mから1000mで採取した柱状堆積物試料を用いて過去15万年間における海洋環境変動、特に氷床量変動に関する記録の復元を行った。詳細はBiogeosciences誌(Rella&Uchida,2011)に報告した。現在、氷床量変動の地理的分布やグローバルな気候変動とのタイミングを明らかにするため、詳細な年代測定を進めた。陸起源有機物量の変動記録の復元を行うためバイオマーカーの分析を実施した。またアラスカバロー沖、ボーフォート海の陸棚斜面、水深300mから1000mで採取したコアの分析も開始した。このコアの解析からは、陸域環境の変動をとらえることが可能と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

北極海ノースウインドリッジで採取したピストンコアの分析から、過去15万年間の氷床量変動に関する知見を得た。また北極海沿岸陸地における降水量の変動を復元するため、有機炭素の分析を行った。また全有機炭素量の変動要因に関する知見を得るため、有機炭素に炭素安定同位体比分析を行った。

今後の研究の推進方策

北極海海底より採取された堆積物コアについて詳細ナ年代モデルを構築し、加えてそれらのコアについて各種の古既往プロキシーを駆使することにより、北極海における海洋循環、生物生産、アラスカ、カナダ多島海、グリーンランドにおける陸域における気候変動による環境変化の実態を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Sedimentary organic matter and carbonate variations in the Chukchi Borderland in association with ice sheet and ocean-atmosphere dynamics over the last 155 kyr2011

    • 著者名/発表者名
      Stephan R., Uchida M
    • 雑誌名

      Biogeosciences

      巻: 8 ページ: 1-9

    • DOI

      DOI: 10.5194/bg-8-3545-2011

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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